右肩の負傷について会見する（左から）八重樫トレーナー、武居由樹、大橋会長

　ボクシングの大橋ジムが１８日、横浜市内で会見し、１月２４日に東京・有明アリーナのダブル世界戦で予定されていたＷＢＯバンタム級王者・武居由樹（２８）＝大橋＝が同級１０位ユッタポン・トンディ（３１）＝を迎える防衛戦を、武居の右肩関節唇損傷のため延期すると発表した。１・２４の世界戦は世界４団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥（３１）＝大橋―ＩＢＦ・ＷＢＯ１位サム・グッドマン（２６）＝豪州＝のみが開催される。 　武居は右肩をつった姿で会見。「本当にご迷惑をおかけして申し訳ございません。まずは治療に専念して、少しでも早く、少しでも強くなって戻ってこられるようにします」と、目を伏せた。約２週間前に痛め、右手を出すと激痛が走る状態になっていたという。 　この世界戦は当初今月２４日に予定されていたが、１４日に井上の対戦相手グッドマンが左目上に裂傷を負い１カ月延期されたばかり。大橋秀行会長は「おはらいに行かなきゃ」と苦笑いし「武居本人は出ると言っていた。昭和なら痛み止めとかでやらせていたんだろうが、今はそうじゃない。これで勝てる甘い世界じゃないし、ファンにも失礼になる」と、延期を決断した理由を説明した。手術は必要ないが全治４週間という診断で、その間は激しいトレーニングもできないため、仕切り直しのユッタポン戦は４、５月ごろを検討。入場券の払い戻し希望者には販売元が対応する。 　武居はキックボクシングＫ―１の元王者でボクシング転向後は１０戦全勝（８ＫＯ）。同じキック出身で現ＷＢＯアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心（帝拳）との対戦を熱望し、何度も試合を呼びかけていた。だが、この日の武居は「もう言う資格も今はないのかなと思います」と、肩を落とした。