円が対ドルで一時151円台に上昇、米雇用統計後-介入警戒感和らぐ
(ブルームバーグ): 3日のニューヨーク外国為替市場で円が対ドルで上昇、一時151円台を付けた。上昇幅は1%を超えた。米国で発表された4月の雇用統計に反応。同統計発表前は153円台前半で推移していた。
円高方向に振れたことで、日本の当局が再び円買い介入に動くのではないかという警戒感がいったん和らいだ。
米国の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は、4月に前月比17万5000人増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は24万人増だった。失業率は予想外に上昇。今年の労働市場は力強いスタートを切ったが、幾分か熱気が冷めつつあることが示唆された。
米雇用統計、4月の非農業部門雇用者数17万5000人増-失業率上昇
米雇用統計が市場予想を下回り、米国債利回りが急低下する一方、年内の利下げ観測が高まった。
米金融政策見通しに最も敏感な2年債利回りは一時17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し4.71%となった。雇用者数の伸びが予想に届かなかったことに反応。利下げ開始時期については、早ければ9月との見方が強まり、従来の11月から前倒しされた。市場はまた、年内に25bpの利下げ2回との見方を再び織り込んだ。
英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長で、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストを務めるモハメド・エラリアン氏はブルームバーグテレビジョンで「米金融当局と市場を喜ばせるゴルディロックス的な統計だ」と語った。
円相場は今週に入って大きな変動が続いている。4月29日に一時1ドル=160円台に下落。その後、日本の通貨当局は2回の円買い介入を行った可能性が高い。 神田真人財務官は「介入の有無について申し上げない」との発言を繰り返している。
ペッパーストーン・グループ(ロンドン)のリサーチャー、マイケル・ブラウン氏は米雇用統計は「日本の財務省と円安を阻止する彼らの闘いにとっては朗報だ」と述べた。