高校生が美容整形、インバウンド忌避… 今どき富裕層のお金の使い道
こうしたインバウンド客を忌避する心理は、レストラン選びでも働いている。 好例が、横浜・山手にあるフレンチレストラン「山手十番館」だ。この一軒家の建物も、付近にある横浜外国人墓地を含む一帯も異国情緒にあふれ、日本人の目には魅力的に映る。 一方で、“日本らしさ”を求めるインバウンド客にはどうか。横浜市開港記念会館(通称・ジャック)のような有名建造物があり、商業施設が林立する近隣のみなとみらいの方が魅力的に感じそうだ。そして、山手十番館の売り上げは右肩上がりだ。 「レストランも有名ラグジュアリーホテル内から選ぶ富裕層が多かったが、『和食』ではなく『中華』を選ぶなど、インバウンド客をとにかく避けたいという人も中にはいる」(新井氏) ●キーワード② 好人物プレッシャー 気になったらまず美容整形 世間ではメンズ美容市場が成長を続けるなど、男女関係なく、第一印象や身だしなみを気にする人が増えている。今どき富裕層も傾向は同じだが、庶民の目には、明らかに度を越しているように見える。 「富裕層と思われる親の金銭的なサポートを受けて、美容整形を受けに来る高校生や大学生が増えてきた」と語るのは、SBCマーケティング(湘南美容クリニックのマーケティング会社)代表取締役社長の片寄裕之氏だ。 一般的な家庭ではあまり考えられないケースだが、これには今どき富裕層なりの理由があると新井氏は指摘。「男女問わず、美容整形を『相手に嫌な印象を与えないためのマナーの一環』と考えている」。そのため、我が子にも美容整形を受けさせているというわけだ。 当然、親本人も美容整形に積極的で、「プチ整形レベルなら、身の回りの富裕層でやっていない人はほぼいない」(新井氏)。実際、湘南美容クリニックによれば、身だしなみを意識した美容整形として医療脱毛をする、ニキビ跡を消す、多汗症を改善する、シミやシワを取るといったニーズが増えているという。