高校生が美容整形、インバウンド忌避… 今どき富裕層のお金の使い道
あなたは、富裕層にどんなイメージを持っているだろうか。身にまとうのはハイファッションブランド、毎日のように高級レストランで食事、頻繁に旅行をして宿泊先はラグジュアリーホテル……。さすがに、そんな手あかの付いたイメージは持たないかもしれない。かといって、具体的に思い描けるだろうか? 今どき富裕層の消費スタイルの一端をお伝えする。 【関連画像】Hotel 侑楽 京八坂。宿泊料金は平均して1人1泊4万円だという ※日経トレンディ2024年11月号の記事を再構成(24年11月1日に最新号の12月号を発売) 日本中をにぎわす絶好調のインバウンドは、国内経済に影響を与えている。これが日本人の富裕層の消費行動にも関係していると知ったらどうだろう。 日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計・2024年7月推計値(24年8月発表)によれば、24年7月は329万2500人となり、単月で過去最多となる見込み。(注:訪日外客は、訪日外国人観光客の略) 確かに、都心や観光地では、外国人を多く見かけるようになった。訪日外国人の旅行消費額も23年に過去最高の5兆3065億円になり、日本経済にとって好影響だ(24年6月発表の観光庁「令和6年版観光白書」による)。 しかし、これに富裕層が“露骨”に反応した。 ●キーワード① インバウンド客「忌避」消費 「こぢんまり」で和みたい 有名観光地には行きたいが、行けば多くのインバウンド客でにぎわう人混みは避けられない――。だから、富裕層は旅行スタイルを大胆にチェンジする。 象徴的なのが、ホテル選びだ。世界的ラグジュアリーブランドのホテルは豪華で魅力的だが、客室数が多く、インバウンド客も集まりやすい。 しかもその一部のマナーは目に余るケースも。「集団で大きな声で話しているのが気になる。子供の迷惑行為を放置するなどの『マナーの悪さ』に不快感を示す富裕層は多い」(執事サービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュの新井直之氏) そんな富裕層が目をつけた結果、“席”の争奪戦に発展しているのが、こぢんまりとしたホテルや旅館だ。 例えば、京都の八坂神社近くにある「Hotel 侑楽 京八坂」の客室は、僅か13室。宿泊料金は平均して1人1泊4万円で、各部屋には露天風呂などもある。部屋での滞在だけで、ホテル時間を満喫できる。もしインバウンド客がいたとしても、顔を合わせる心配はない。 その快適さを知ったリピーターは増加傾向で、Hotel 侑楽 京八坂は平日も含めて満室が続く。 「『夫婦2人でゆっくりできるから選んだ』というお褒めの言葉をよくいただく。当ホテルの他にも、全7室の『京小宿・室町 ゆとね』など、最近は超小規模のホテルや旅館が富裕層に好まれている印象がある」(Hotel 侑楽 京八坂)