超こだわり! 7人乗り新型SUV「CX-80」で見えたマツダの生きる道とは?
売れ行きについては、価格面でも買い得度を感じられる「ディーゼルXDが半分以上を占めるのでは」と柴田主査。 運転していて興味深かったのは、マイルドハイブリッドを搭載するXD-HYBRIDの走行感覚で、モーターの存在感が希薄だった。マイルドハイブリッドは発進時、トルク増強のためにモーターを使うのだが、モーター独特のトルク感が感じられないのだ。 「モーターの加速感をしっかり出すメーカーもありますが、それとエンジンがかかったときのギャップなど、ドライバーに違和感を抱かせてはいけないというのが、マツダの考え。エンジン車の感覚を大事にしました」(柴田主査)
■“こだわり”が評価されマツダの販売は上々 操縦性だけでなく、いたるところに“こだわり”を見せる。これこそ、マツダが生き残っていくために必要なことなのだろう。 スバル好きの人のことをスバリストと言うが、マツダイストとかマツダーとは言わない。でも、世に確実に存在するマツダファンは、CX-80の開発背景を聞くとうれしくなるはずだ。 もっとも、同社にとって最重要なアメリカ市場では、2023年に前年比123%という販売台数を記録している。
2024年上半期も、前年同期比を1割近く上回った。だから、正しい言い方としては、「評価されるために、こだわらなければならない」、というより「こだわったゆえに評価されている」なのかもしれない。 “こだわり”は、インテリアにも反映されている。内装の素材や色にも、独自性がある。 色は、もちろん売れ線のブラックもあるけれど、タン(茶色)やピュアホワイトなど、日本ではあまり売れない、けれども確実にほしい人がいる、というものも用意されている。これは大きく評価したい点。
ダッシュボードの表面素材にはスエード調もあって、プレミアムブランドのクルマのようだ。乗っていて気分がよい。 「CX-5やCX-8から上級移行する車種として、CX-80を設定しています。性能で輸入車に劣らないクルマづくりをめざしていますから、デザインや質感も負けないようにとがんばりました」 デザイン本部の玉谷聡主査は、ほこらしげにそう語った。今回の試乗会で話を聞いた開発陣はみな同様にほこらしげで、それがなにより印象的だった。