明日米移籍申請の西武・菊池雄星の本当のメジャー評価は?
メジャー挑戦を訴え西武も了承した菊池雄星(27)のポスティング申請が明日12月3日に行われる。大リーグのコミッションからアナウンスされた時点で、譲渡金を払う意思のあるメジャー全球団との交渉がいよいよ解禁となる。 では、どの程度の評価になるのか。 11月上旬のことだが、データ分析に定評のある「FANGRAPHS 」は、中央値として4年総額5200万ドル(約59億円)とはじき出した。一方、大リーグの移籍、契約を専門に扱う「MLB TRADE RUMORS」は同じく11月初旬、6年総額4200万ドル(約47億6500万円)と予想した。 前者の年俸は1300万ドル(約14億7500万円)。後者は700万ドル(約7億9400万円)。大きな開きがあるが、このことは図らずも菊池の評価が大リーグで割れている状況を象徴している。 まず、高評価の意見。 あるア・リーグ東地区のスカウトに聞くと、「田中(将大)やダルビッシュ(有)らのように先発の1番手候補というわけではないが、うまくはまれば、岩隈久志のように先発2番手となる可能性もある」と話した。 もう少し、解説を続けてもらう。 「4シームの平均は91~92マイル(約146キロから約148キロ)。これは可もなく、不可もなくといったところ。しかし、スライダーは悪くない。85~86マイル(約137キロから約138キロ)は出るから、4シームとの球速差が少ない点で評価している。右打者の膝元にボールになるスライダーを安定して投げられれば、こちらでも十分通用するだろう。 落差の大きなカーブもメジャーでは貴重な球種だ。実のところ、カーブとチェンジアップは、それだけを考えれば平凡な球種と言える。しかし、4シーム、スライダーとうまくミックスさせることで平凡な球ではなくなる。いきなり日本時代のような巧みな配球を駆使してーーというピッチングはできないかもしれないが、打者との対戦を重ねることで、相手との駆け引きの中で打ち取る、というピッチングができるようになるのではないか」 過去、肩の故障などで何度か離脱している菊池。その点は、「リスク」と認めるも、「それ以上に投資の価値がある」。 それ以外にも、高く評価しているスカウトらからは、こんな長所を聞いた。 「4シームとスライダーで、それぞれ緩急をつけられる器用さがある」 「4シームの最速は97~98マイル(約156キロから約158キロ)。左でその球速を投げられるなら、それだけで貴重」 「ゴロを打たせられる」 「以前は4シーム/スライダー投手だったが、カーブ、チェンジアップもある。ここ数年、投球の幅が広がり、安定に繋がっている」