ポール・メスカルがミニサイズのカルティエ「タンク」を着用! メンズウォッチも小ぶりが主流に?
10月19日(現地時間)に開催されたアカデミー・ミュージアム・ガラに、スタイルアイコンの俳優ポール・メスカルと元NBAのドウェイン・ウェイドが、衝撃的なほど小さな時計を身に着けて登場した。 【写真を見る】小ぶりの時計を見事にスタイリングに溶け込ませたメスカルとウェイド 今年8月、米版『GQ』で、私は時計界で繰り広げられている小ぶりの時計と、それとは対照的な巨大な時計の間の苛烈な論争について書いた。ここ数年、その綱引きは明らかに小さい方に傾いているが、なかには45mmの大ぶりな腕時計を手放そうとしない一派もいる。そんななか、10月19日(現地時間)に米ロサンゼルスのアカデミー映画博物館で開催されたアカデミー・ミュージアム・ガラに、前者の強力な信奉者が現れた。俳優のポール・メスカルと元NBAのスター選手ドウェイン・ウェイドである。 ウェイドが着用していたのは、「ティファニー エタニティ」。これは50セント硬貨(約30mm)よりも小さい28mmのレディースウォッチだ。一方のメスカルは、2024年の可憐な時計を代表するカルティエ「タンク」の一口サイズ・バージョンを着けていた。 ティモシー・シャラメやバッド・バニーのような冒険的なドレッサーがレディースウォッチを身に着けるなど、腕時計に小型化の流れが到来していたが、今やそれが完全に主流になりつつある。 ■ミニサイズがトレンドから主流へ メスカルの小さな「タンク」は、業界最大の見本市である今年のWatches & Wondersで話題の中心となったアイテムだ。小さくなった「タンク」は、カルティエのアイコニックなディテールをすべて24×16.5mmという愛らしいサイズに再現している。 このミニサイズの「タンク」は、2023年に大ヒットした「ベニュワール バングル」に続くカルティエのヒット商品で、同ブランドはいまだに在庫を確保できないでいる。ここで「バングル」の話を持ち出したのは、トレンドの移り変わりがいかに早いかを示しているからだ。発売当初、多くの男性コレクターが「バングル」の美しさを認めていたが、実際に身に着ける勇気のある人はほとんどいなかった。超スタイリッシュなマーク・チョーでさえ、ブレスレットとして身に着け、スーツの袖の下に隠していた。それからわずか1年後の今、セレブたちはレッドカーペットで同じように小さな腕時計を誇らしげに身に着けている。 そして、このスモールウォッチ・トレンドの波に乗っているのは、メスカルだけではない。ウェイドも同じイベントに、同じように小ぶりの時計で出席した。彼のスタイリスト、ジェイソン・ボールデンによると、時計が映えるようにスーツの袖丈を少し短くしているそうだ。ウェイドのファッション・ステートメントがより大きく響いたのはそのためだろう。 ■時計に性別はない ウェイドの「ティファニー エタニティ」は、いわゆるレディースウォッチの伝統的な特徴をすべて備えている。サイズだけではない。28mmのケースはメンズコレクションでは長い間御法度とされてきたが、ハートやティアドロップにカットされたキュートなインデックス、クッションシェイプのケース、ベゼルにセッティングされた(バゲットではなく)ラウンドダイヤモンドと相まって、これは一般的に女性のためにデザインされた時計そのものである。 サイズダウンに伴い、このような性別の指標は時代遅れになりつつある。ウェイドは議論を正しい方向に進めていると言えるだろう。つまり、時計には本質的に性別はなく、私たちはそれらに基づいて時計を規定されるのではなく、好きなものを自由に身に着ければいいのだ。 業界は明らかに、このような小ぶりのタイムピースがコレクターにとってどれほど重要な存在になりつつあるかを理解している。今年、多くのブランドがカルティエの足跡を辿り、スモールサイズの時計を作り始めた。ウブロは30mm以下の「クラシック・フュージョン オリジナル」を復活させた。オーデマ ピゲは、同社の主力モデルである「ロイヤル オーク」を23mmへと大幅に縮小した。 まだ小ぶりの時計を手に入れていないのなら、いずれコレクションに加えようと思ったときには、たくさんの選択肢があるだろう。今日はポール・メスカルだが、明日はあなたの番だ。 From GQ.COM By Cam Wolf Translated and Adapted by Yuzuru Todayama