在宅勤務中の部下が映画館に!?サボりだと怒る上司を黙らせた、社労士の意外なセリフとは
リモートワークを認める企業で、「あいつは熱心に働く」と信頼していた部下が、実は「仕事をするフリ」をしてサボっていた……ひょんなことからサボりの事実が発覚するも、「やるべきことはやっている」と独自の主張を展開する部下と口論に発展。困った上司は社労士のカタリーナに相談することにした。悩む相談者に対し、カタリーナがした意外なアドバイスとは……。 【この記事の画像を見る】 <登場人物> 村山(28歳):IT企業で働くシステムエンジニア 佐藤(47歳):プロジェクトマネージャーで村山の上司 畠山(29歳):サポートデスク部門に所属する、村山の同期 ● 週1~2日出社、残りの日は在宅勤務 村山の働くIT企業では、週1~2日程度の出社を求めているが、それ以外は基本的にリモートワークが認められている。出社した際に、村山は上司の佐藤とすれ違い、あいさつを交わした。 佐藤「おう、村山君。相変わらず、遅くまで頑張っているようだな。あまり無理はするなよ」 村山「佐藤さん、お疲れ様です。昨日もA社のプロジェクト案件に手こずってしまって。でも、体力だけは自信ありますから」 あいさつついでにそんな会話をしているところに、村山の同期で、別の部署で働いている畠山が通りかかり、村山に気付いて声をかけた。 畠山「村山、昨日はビックリしたよ!映画館でお前と出くわすなんて」 村山「えっ、あっ……じゃあ僕はそろそろ、失礼します……」 村山は顔をしかめ、慌ててその場を立ち去ろうとした。そんな様子を気に留めず、畠山は陽気に話を続けた。 畠山「話題の新作、早く見たくて有休まで取ったけど、そんな奴がここにもいたとはね。で、映画どうだった?面白かったよね」 村山「しっ!ちょっと、声が大きいよ」
佐藤「おいおい、映画館とは聞き捨てならないな。どういうこと?村山君、昨日は在宅勤務だったよね。もしかして、本当は休んでいたの?」 村山「いや、あの……」 佐藤「たしか、ずっとオンライン状態だったよね。まさか仕事をサボっていたんじゃないだろうな」 村山「いえ、あの、たまには息抜きも必要というか……」 佐藤「コーヒーブレイクとは訳が違うだろう?休むなら、ちゃんと休暇申請すればいいじゃないか」 佐藤の口調がだんだん厳しくなってきて、村山は思わず大きな声で反論した。 村山「休暇を取りたくても、うちの職場は申請しにくいじゃないですか!年休を取ると、査定が下がるってもっぱらの評判ですし」 佐藤「だからって、黙ってサボることが許されると思っているのか!」 村山「やるべきことは、ちゃんとやっています。それに、深夜や休日もお構いなしに連絡してくるのは、佐藤さんじゃないですか!」 二人の言い争う声がオフィスに響き渡っている。畠山は両手で顔を覆った。近くにいた社員が間に入ってその場の騒ぎは収まったものの、部下の言い分に納得がいかない佐藤は、社労士のカタリーナに相談することにした。カタリーナは、歯に衣着せぬ物言いで相談者に愛のムチを入れる、ちょっと風変わりな社労士だ。