和田秀樹「悪意の口撃に乱されない感情の整え方」 感情コントロールには基本的な技術がある
感情のコントロールには基本的な技術があります。日々の生活や仕事で、感情に振り回されることは誰にでもありますが、その感情をどう扱うかが大切です。本稿では、感情が高ぶったときにどのように冷静さを取り戻し、前向きに行動するかについて、実践的な方法を紹介します。感情をコントロールすることで、より良い人生を築くためのヒントが得られるでしょう。 ※本記事は和田秀樹著『感情的にならない本』の内容を一部抜粋したものです。
■感情コントロールには基本的な技術がある わたしが嫌う考え方に、「決めつけ」があります。たとえばこちらがYouTubeで発言したことを、「なにもわかってない」「頭が悪い」「偏見だ」といった調子で、ボロクソにけなします。 そういう人たちに共通するのは、まず礼儀の欠如です。メールでもネット上のコメントでも、乱暴な文章だし誤字も多いし、悪意に満ちています。 わたしは自分の意見が批判されることじたいはなんとも思いませんが、根拠も論理性もなく、しかも無礼な物言いで決めつけられるとやっぱり頭にきます。ムシャクシャして、仕事が手につかないときだってあるのです。
そもそもわたしの意見はあくまで一つの見方です。 それが絶対に正しいとはわたし自身、思っていません。「いろいろな見方があるだろうけど、わたしはこう思う」ということを主張しているだけです。 もちろん「こんなの、相手にしなくていい」とわかっているのですが、うっかり読んでしまって腹を立てることが何度もありました。そこで対策を講じました。 まず、メールなら読まないことです。悪意に満ちたコメントを送ってくる相手は匿名がほとんどであり、件名を見ただけでイヤな感じがしますから無視。うっかり読んでしまった場合でも、反論なんかしません(といいながらたまにしてしまうのが、感情のこわいところですが)。
そんなヒマがあったら毎日、やることはいくらでもありますから、それを一つずつ片づけていきます。照影、これは感情コントロールの基本です。 そのうちわたしの意見に賛成してくれたり、わたしと同じような意見を伝えてくれるメールが届きます。こちらは礼儀正しく、冷静で、しかも決めつけをしていません。そういうメールを読むと、すっかり機嫌よくなるのです。じつに単純です。 でも、この単純さが感情のいいところです。つまらないこと、ほんとうにくだらないことでカッとなっても、そんなものは放っておいて、できることや、やらなければいけないことを淡々と続けていると、ふっといいことに出合います。その瞬間、気持ちが明るくなってしまうのです。