資産家マローン氏率いるリバティ、CATV大手との合併提案
(ブルームバーグ): 米資産家ジョン・マローン氏が率いるリバティ・ブロードバンドは23日、米ケーブルテレビ(CATV)会社チャーター・コミュニケーションズとの株式交換による合併を提案していると発表した。
発表資料によると、チャーターの取締役特別委員会からの合併提案を受けリバティ側が対案を提示したという。
マローン氏はリバティの議決権付き株式の49%を保有。一方、チャーターの関係者によると、リバティは完全希薄化後ベースでチャーターの株式の26%を保有しており、両社が合併すればマローン氏が大きな影響力を持つ2つの公開企業が統合されることになる。
有料テレビ業界はストリーミングサービスのほか、ユーチューブなどの他の動画エンターテインメントに顧客を奪われており、マローン氏が投資している企業の一部は大幅な株価下落を記録している。
23日の発表前時点で、リバティの株価は2021年の最高値から約70%下落。ワーナー・ブラザース・ディカバリーなどマローン氏が保有する他の銘柄の株価も大幅に下落している。
リバティ側の提案によると、株式交換は非課税で実施され、リバティの普通株1株に対しチャーターのクラスA株0.29株を割り当てる。チャーターの終値331.62ドルで換算すればリバティの価値は、1株当たり96ドル超の評価となる。
提出資料によると、チャーターは当初、リバティ1株に対し0.228株の割り当てを提示していた。
リバティのグレッグ・マフェイ最高経営責任者(CEO)は発表資料で「リバティが提案する取引は、チャーターとリバティ・ブロードバンドの二重構造を合理化し、取引の流動性を高めるとともに、リバティ・ブロードバンドの既存のガバナンス(統治)権を排除するものだ」と述べた。
発表後の時間外取引で、リバティのクラスA株は20%上昇し、73.50ドルとなった。チャーターの株価は1%未満の下落にとどまった。
リバティの対案によると、チャーターはリバティの債務を引き受けるか借り換えを行うことになる。合併の承認にはマローン氏と関連のないリバティ株主の同意が必要となる。