小学1年生の娘は小柄で自転車の「幼児用座席」にまだ座れます。一緒に乗せて買い物に行ったら注意されましたが、罰金をとられるのでしょうか?
子育て中の親にとって、日常の移動手段として自転車を使うこともあるでしょう。しかし、法律やルールを知らないと、思わぬトラブルやけがにつながる場合もあるため注意が必要です。 本記事では、幼児用座席に座れる年齢や小学生が幼児用座席に乗ったときのリスクなどを解説します。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説
幼児用座席に座れる年齢は?
道路交通法では、自転車の幼児用座席に座れるのは小学校に入学する前までと定められています。そのため、小学生を幼児用座席に乗せることは道路交通法違反となり、2万円以下の罰金または科料に処せられる可能性があります。 ただし、これは自転車の後ろに設置した幼児用座席に乗せる場合です。幼児用座席には、前形と後形があり、それぞれ表1のように適用範囲が定められています。 表1
※一般財団法人製品安全協会「自転車用幼児座席のSG基準」を基に筆者作成 このように、前に設置した場合は1歳以上4歳未満が対象のため、4歳~小学校に入学するまでの子どもは乗せられないことが分かります。
小学生を幼児用座席に乗せるとどんな危険がある?
幼児用座席は小学生が乗ることを想定していないため、小学生を乗せるとさまざまな危険が伴います。 1つ目は、自転車のバランスを崩して転倒するリスクがある点です。小学生が乗ると支える重量が大きくなるため、自転車を扱うときのバランスがとりにくくなります。バランスがとれないと、走行中や停止中に転倒するリスクが高まり、親子ともにけがをするかもしれません。 独立行政法人国民生活センターによると、自転車の後ろに子どもを乗せて走行していたときの事故の約30%は転倒によるものでした。 2つ目は、幼児用座席から体の一部がはみ出ることで起こる接触事故です。小学生が幼児用座席に乗ると体がはみ出る可能性があります。体が収まらないと、自転車走行中にガードレールや電柱などの障害物に足や頭をぶつけるおそれがあります。 実際に、体がはみ出ていたために障害物にぶつかり、大腿骨を折る事故も起きているようです。また、大腿・下腿の次に頭をぶつける事故が多く、長期入院を余儀なくされるケースもあるようです。 3つ目は、スポーク外傷です。スポーク外傷とは、自転車の車輪についている放射状の針金部分に、足が巻き込まれて負うけがです。 小学生が幼児用座席に乗ると、足を乗せる部分から足がはみ出る可能性があります。その状態で自転車を走らせると、車輪に巻き込まれるリスクが高まります。擦り傷のみで済むケースもありえますが、足の甲やアキレス腱などが深く切られ、縫わなければいけないけがをしてしまうかもしれません。 このように、入院や手術が必要なけがを負う可能性もあるため、小学生を幼児用座席に乗せるのは避けましょう。