横浜DeNA、4つのラミ流変革
そして4つ目の変革がレギュラーの固定できなかった捕手問題。昨季は、嶺井が74試合、黒羽根が63試合、高城が64試合に出場したが、バッテリーエラーは、12球団ワーストとなる68暴投、11捕逸を数え、何試合も大事なゲームを落とした。「凡事徹底」を秋季キャンプからのスローガンにしているが、最もミスを撲滅したいのがバッテリー部門である、 ラミレス監督は、「まだ決めきれないが、できれば一人に固定したい。スローとキャッチングを最優先に選ぶ。打撃とベースボールIQは二の次」という方針で、ヤクルト戦で本塁打を放ったドラフト4位のルーキー、戸柱を加えた4人で競争を繰り広げている。 バッテリーエラーを減らすのは「捕る、止める、投げる」の捕手スキルのアップ。ラミレス監督の方針は正しく、捕手の技術論に定評のある光山バッテリーコーチを迎え、ブルペンから目を光らせている。いわゆるインサイドワークの欠点は、ベンチからラミレス監督が自ら配球のサインを送る遠隔コントロールで補う考えで、実際、紅白戦、練習試合では、ベンチからサインを送り、内角球を意識させる配球は一定の成果を生み出している。 この遠隔操作の賛否については、またの機会に書きたいと考えているが、ラミレス監督のビジョンがハッキリと示されているのは悪くない。キャンプ期間中のベンチからのサインは、捕手にその意図を考えさせる“育成”の役目も果たすだろう。 中畑前監督に比べキャンプでのメディアを巻き込む話題作りは少なくなった。だが、チームに足りなかったピースを埋めていく作業を着実に続けているラミレス監督のキャンプ戦略を見る限り、最下位脱出の可能性は高まっている。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)