「きみ、帰っていいよ」過度に緊張し吐き戻した過去も「私には向いていない」から始めたモデル業で活躍し続けた小泉里子の原点
特にそのころは『Oggi』のファッションスタイルが好きで。当時、表紙モデルを務めていた長谷川理恵さんに憧れていました。「『Oggi』の表紙モデルになること」を密かな目標にしていたんです。 ── 周囲には、「『Oggi』の表紙をやりたい」と伝えていたのですか? 小泉さん:周りには話していませんでした。私は結構、むっつりタイプ(笑)。目標や夢を公言せず、胸に秘めて邁進していく性格なんです。だからなおさら、2004年に『Oggi』の表紙モデルに選ばれたときは「夢が叶った!」と驚きました。
■TVや演技の挑戦で「モデルの仕事が好き」と自覚 ── 表紙モデルとして大変だったことを教えてください。 小泉さん:表紙モデルは「雑誌の顔」となる存在。雑誌ごとに設定されたターゲットに合わせたイメージづくりが大変でした。たとえば『Oggi』は、「オフィスで働く女性」がターゲット。私自身はオフィスに通勤していないので、そのギャップを埋めるのに苦労しました。それから、ファッション雑誌では「秋はトレンチコート、春はデニム」といった感じで、シーズンごとにパターンがあるのですが、読者に「昨年と同じだな」と思われないための工夫も必要で。髪型や髪色を変えるなど「モデル自身のイメージチェンジ」をすることで、新しさを演出できるよう意識していました。
── 長年トップモデルとして走り続けてきた小泉さんですが、「今がピーク」と感じた瞬間はありましたか? 小泉さん:『CLASSY』時代かもしれません。2011年から7年間、表紙モデルを務めさせていただきましたが、私の年齢と雑誌のターゲット年齢が近く、好きな服を撮影でも着せてもらっていました。スタッフとの関係性もよく、毎号みんなで支え合って、ひとつのものをつくり上げていく雰囲気がとても心地よかったです。たくさんの雑誌に出させてもらうなかで、うまくいくときといかないときがありました。でも、波と同じように、人生って上がる瞬間があれば、下がる瞬間もある。「つらい時期がないと、その後、上がっていくこともできない」と考えて、そのときの大変さを受け止めてきました。