「きみ、帰っていいよ」過度に緊張し吐き戻した過去も「私には向いていない」から始めたモデル業で活躍し続けた小泉里子の原点
── テレビや演技のお仕事にも挑戦されたそうですね。 小泉さん:チャレンジしましたが、難しかったですね。特にテレビは会話のテンポがすごく速くて。そのスピード感に頭がついていかず、ようやく把握できたときには収録が終わっているという感じ。台本は用意されているのですが、出演者の器量で回していく要素も多く、雰囲気を読み取れずに迷惑をかけてしまったと感じた現場もありました。 ただ、モデル以外のジャンルに挑戦できたことで、「やっぱり私はモデルの仕事が好き」と感じることができました。スタッフ間の距離が近く、長期間準備してきたものを、撮影の瞬間に一気に集中させるものづくりの仕方が、私にはフィットしていると再確認できたんです。「自分らしく働く」ためには、いろいろと試してみることが必要だと気づかせてくれる経験になりました。
PROFILE 小泉里子さん こいずみ・さとこ。1981年鹿児島県で生まれ、神奈川県横浜市で育つ。中学卒業後に芸能事務所に入り、1997年に『CanCam』の専属モデルとしてデビュー。その後『Oggi』『CLASSY』『Domani』の表紙モデルを務める。2020年に結婚、2021年に長男を出産。出産の3か月後に家族でドバイへ移住する。2024年4月よりポルトガルに移住し、日本を行き来しながら仕事を行っている。 取材・文/佐藤有香 写真提供/小泉里子
佐藤有香