“政治とカネ”徹底調査 「政策活動費」にも課題…自民党幹部「選挙で表に出せないことに使う」 その実態は?【政治部長解説】
日テレNEWS NNN
繰り返される「政治とカネ」の問題で、自民党が大きな危機にあります。裏金の温床となった政治資金パーティーはなぜ根付いたのか。野党も含めてあり方が問われている政策活動費は、見直しが進むのか。田中秀雄・日本テレビ政治部長が解説します。
■辰年に起きた、政界を揺るがす大事件
藤井貴彦アナウンサー 「繰り返される政治とカネの問題に、今改めて国民の厳しい目が向けられていますね」 田中秀雄・日本テレビ政治部長 「岸田内閣の支持率は最低水準のままで、自民党の党員もこの1年間で3万人以上も減ったということで、今まさに自民党は大きな危機にあると思います」 藤井アナウンサー 「今年は辰年ですが、これまでにも辰年には政界を揺るがすほどのカネにまつわる大事件が、繰り返し起きています。1976年はロッキード事件、1988年はリクルート事件、2000年はKSD事件がありました」
■深刻…専門家「組織ぐるみで違法行為」
藤井アナウンサー 「そして今年も、ということになってしまいましたが、今回(の自民党派閥の裏金事件)はさらに深刻だという指摘もあります。政治とカネの問題に詳しい東京大学の谷口将紀教授に聞きました」 「谷口教授は『リクルート事件以降、大半の事件は法律を守らない一部の不心得者を摘発する案件だったが、今回は性質が違う。派閥という自民党の権力中枢が、しかも組織ぐるみで違法行為、裏金を作っていた』と指摘しています」 田中部長 「政治資金のシステム、法律の抜け穴をついた大規模な違法行為だということです」 「さらに取材を進めたところ、複数の議員や専門家からは、『赤信号みんなで渡れば怖くない』といった悪質な発想や甘えがあった。法律をきちんと守るという意識が欠けていた、という厳しい指摘が聞かれました」
■政治資金パーティーが根付いた背景
藤井アナウンサー 「今回問題となった派閥の政治資金パーティーは、なぜこれほど根付いてしまったのでしょうか?」 田中部長 「そもそもは、過去に起きた数々の事件でお金に関する規制が厳しくなっていく中、広く薄く、つまり大勢の人から少しずつお金を集める狙いから広まっていきました。元自民党で派閥への所属経験もある鈴木宗男参議院議員や、自民党二階派の元秘書に取材しました」 鈴木議員 「(昔は)派閥の会長がそれなりの派閥への資金を集めて、仲間の人たちに配っていました。だんだんと資金集めが窮屈になってからパーティーというのが始まったと私は思いますね」 二階派の元秘書 「昔はパーティーをする事務所は恥ずかしかったんですよね。パーティーでお金集めするというのは。実力がないって思われていたんですよ。スポンサー企業とかがいて、そこから献金を受けているのが多かったですから」