“政治とカネ”徹底調査 「政策活動費」にも課題…自民党幹部「選挙で表に出せないことに使う」 その実態は?【政治部長解説】
■立候補をやめさせる際に「補てん」か
藤井アナウンサー 「つまり選挙応援、陣中見舞いなどにも使われていたということなんですね」 田中部長 「そうです。ただ、ある自民党幹部は『選挙で表に出せないことに使っている。例えば、ある候補者に立候補をやめさせる場合、それまでに使った数千万円なりの金を補てんしてやらなきゃいけない』と明かします」 「さらに、『こうした金の使い方は自民党だけではなく野党にもある。ここは手をつけちゃいけない世界なんだ』とも言います」 藤井アナウンサー 「『手をつけちゃいけない世界』が政治家の皆さんの前に広がっているというのはちょっと信じがたいですし、これがまさにブラックボックスということなんですね」
■野党の幹部も「政策活動費」受け取り
田中部長 「そうですね。だからこそ、国民には『公表できないような不適切なことに使われているのでは』といった指摘や疑念を持たれても仕方がないと思います」 藤井アナウンサー 「ただ、政策活動費は与党だけではなく、野党にもありますね」 田中部長 「例えば2022年、立憲民主党の泉代表は5000万円、日本維新の会の藤田幹事長は5057万円、国民民主党の榛葉幹事長は6600万円などとなっています」
■各党の政策活動費へのスタンスは?
藤井アナウンサー 「こうした政策活動費について、公明党は『使途公開を義務づけるべきだ』というスタンスで、立憲民主党や日本維新の会、国民民主党、共産党は『そもそも政策活動費を禁止すべきだ』としています。自民党はどうでしょうか」
■岸田首相は見直しに慎重…ナゼ?
藤井アナウンサー 「岸田首相(自民党総裁)は見直しに慎重だということです。もし政策活動費の使い道を公開すると、自民党と関係のある個人のプライバシーや企業の営業秘密が明らかになる、自民党の戦略が他の政治勢力や諸外国にもれる、といった恐れがあると説明しています」 「各党の意見がまとまらない中で、政策活動費の見直しは今後実現するのでしょうか?」 田中部長 「政策活動費の使途公開を義務づけるには政治資金規正法の改正が必要ですが、現時点で合意の見通しは立っていません。機密に関するものなど一部に例外を設けるにしても、これだけの大きな問題が発覚したので、使い道の公開について検討すべきだと思います」