明治大学、山の上ホテルを取得し再整備へ
明治大学は2024年11月15日、数多くの文豪が利用したことで知られる「山の上ホテル」の土地および建物を取得した。2031年に創立150周年を迎える同大学は、その記念事業の一環としてこの不動産を取得し、現状の外観を維持しつつ必要な改修工事を施す予定だという。
山の上ホテルは1937年、米国の建築家ヴォーリズ氏の設計により、明治大学の校友である佐藤慶太郎氏の寄付をもとに建設された。当時の生活困窮者の生活改善を目的に全国的規模で展開した「大日本生活協会」の本部として「佐藤新興生活館」という名称で建設された建物は、戦時中は旧海軍、戦後はGHQに接収され、米国婦人陸軍部隊(WAC)の宿舎として使用されたが、その後返還され、1954年1月から山の上ホテルとして営業を開始した。なお、佐藤氏は明治大学専門部女子部校舎建設も支援している。
山の上ホテルは、竣工から86年を迎える建物の老朽化への対応を検討するため、2024年2月13日より休館していた。
明治大学は、2031年に迎える創立150周年記念事業の一環として、山の上ホテルの歴史的価値を尊重し、現状の外観を維持しつつ必要な改修工事を施して、ホテル機能を継続させる。また、学生支援や地域連携、社会連携の機能としても利活用することを検討しており、新たなシンボルとして継承していく方針だ。
リセマム 佐藤愛