「SNS詐欺広告」に画像を無断使用される森永卓郎&康平親子の地獄
そう語るのは、森永卓郎氏の息子であり、自身も経済アナリストとして活動する森永康平氏。父親と共演した番組の画像などが詐欺広告に悪用されていることから、康平氏のもとにも日々被害者からの連絡が絶えないという。 「こうした詐欺にダマされやすいのは、あまりネットリテラシーが高くない中高年であり、そういう人はテレビが主な情報源でしょう。だから、テレビ番組のコメンテーターとして認知度が高く、投資を勧誘する人としての信頼感もある父親の名前が悪用されやすかったのだと思います。 実際、私も以前からネットのなりすまし被害はありました。ただ、今回はあまりにも規模が大きい。病気のことまで犯罪に利用され、父親も『許せない』と憤っています。 弁護士や警察にも相談しました。しかし、私たちが詐欺に遭ったわけではなく、罪を問えるとしても肖像権の侵害程度。それでは警察は動いてくれません。ひたすらに迷惑です」 ■メタ社は日本の問題に無関心 その怒りは詐欺グループだけでなく、広告の取り締まりをいっこうに強化しないSNSの運営会社にも向けられる。 「前澤さんが法的措置を検討していると報じられた後でさえ、SNSに詐欺広告が掲載され続けているように、運営会社が真剣に対応しているとは感じられません。 私は被害の拡大を防ぐため、自分のYouTubeチャンネルで詐欺被害の手口を公開するなどの啓蒙活動にも取り組んでいますが、私たちも名前を悪用された被害者です。 こういったことは本来、詐欺広告を掲載した企業側が果たすべき責任であるはずなのに、彼らはいまだに自主規制する気配すらありません」 こうした被害者たちの怒りの声を受け、メタ社は4月16日、「著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みについて」という声明を公式サイトで発表した。 そこでは「オンライン詐欺は、インターネットを通じて世界中の人々を標的とする社会全体の脅威」であり、「詐欺広告をプラットフォーム上からなくすことは、メタのビジネスにとって必要不可欠なことです」と宣言した。 しかし続けて、「世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴います」「オンライン上の詐欺が今後も存在し続けるなかで、詐欺対策の進展には、産業界そして専門家や関連機関との連携による、社会全体でのアプローチが重要だと考えます」とも付け加えた。 莫大な被害が出ているのに、自社の責任については言及せず、社会全体の問題にすり替えるようなコメントを掲載したのだ。 このあまりに無責任な声明に、前出の前澤氏はX上で「日本なめんなよマジで」とマジ切れ。さらに自民党の平井卓也デジタル社会推進本部長は、詐欺広告の対策を協議する会合の中で、「当事者としての責任を感じる文章ではまったくない」とメタ社を非難し、同社に「しばらくの間、広告を停止することも検討」するよう求めた。