西武が売却?赤プリ跡地「東京ガーデンテラス紀尾井町」がなんともパッとしない理由とは。「広いだけの庭園」「低価格帯と高価格帯が混在した飲食店」その実態は?
昨今、あらゆる商業施設が生まれ、特に都心部では次々と新しいビルが建っている。建てば建つほど起きるのは、自然淘汰。良い商業施設は流行るが、ダメだと見向きもされない。数が多いだけに、その差ははっきりする。 【画像】「広いだけの庭園」「低価格と高価格が混在した飲食店」赤プリ跡地に2016年に誕生、「東京ガーデンテラス紀尾井町」驚きの現在を見る(12枚) こうした商業施設の「勝ち筋」はどこにあるのか。それは、「施設に明確な世界観があるか」、そして「消費者ニーズを捉えているか」の2つである。 このように感じさせるニュースが飛び込んできたので、紹介したい。
■西武が東京ガーデンテラス紀尾井町を売却? 日本の流通を支えている巨大グループ「西武」。そんな西武が、苦境に立たされているらしい。同グループは自社が持つビルである、「東京ガーデンテラス紀尾井町」の売却を検討しているというのだ。 【画像】「広いだけの庭園」「低価格と高価格が混在した飲食店」…赤プリ跡地に2016年に誕生、「東京ガーデンテラス紀尾井町」驚きの現在を見る(12枚) このニュースはさまざまな報道機関に取り上げられたが、共同通信の「西武、赤プリ跡地の施設売却へ 池袋本社ビル含め全物件で検討」の中では、「保有型から回転型の不動産ビジネスに転換する。資金はリゾートや都心の再開発に回す」と書かれている。
東京ガーデンテラス紀尾井町、と聞いてピンと来る人がいるだろうか。「あー、あそこね」となる人は少ないんじゃないか。この記事タイトルで「赤プリ(赤坂プリンスホテル)跡地の施設」と表記されていることが、それを物語っている。つまり、記事を読む読者は、この施設をそこまで知らないと思われている。 2016年竣工。西武グループが保有する複合商業ビルで、賃貸物件が入るビルと、商業施設・ホテル・レストランが入るビルの2棟から成る。敷地内には巨大な庭園もあり、ホームページを見れば「世代も国境も越えて人が集う、四季が移ろう自然豊かな庭園」という記載。全体のコンセプトは「品と、格と、未来と」。