「フェロモン」「ロケット」「為替相場」……未来の社会を変える大学の面白いゼミ15選
13.東京工科大学:肌が弱い人のための化粧品開発
東京工科大学応用生物学部には、化粧品について専門的に学べる「化粧品コース」があります。柴田雅史教授の研究室では、化粧品で使用する界面活性剤や紫外線防御剤、プラスチック・石油原料などを植物から採取した材料に置き換える研究を行っています。 大学院修士課程1年の島田歌乃さんが取り組んでいるのは、植物パウダーの開発です。「弟が敏感肌で、子どものころから肌に触れるものに制限があったり、保湿を入念にしたりするのを見てきました。そうした経験から、肌が弱い方や高齢の方にも幅広く使える化粧品を開発したいという思いがあり、柴田研究室に魅力を感じました」と話します。
14.千葉工業大学:自分で開発したロケットが宇宙へ
宇宙に関心を持つ学生にとっては、夢のような体験ができる人気のゼミがあります。千葉工業大学工学部の和田豊教授の宇宙輸送工学研究室では、次世代型ロケットの燃料を研究・開発し、開発した燃料が実際に有用であるかどうかを、打ち上げ実験によって確認するところまで取り組んでいます。 実験によって思い通りの結果が出ればうれしいことですが、実験には失敗がつきもの。だから和田教授は学生に「失敗は大歓迎」と伝えています。 「失敗の原因を深掘りして調べると、これまでとは違う考え方や新たな物理現象の発見にたどり着くことができます。それが科学技術の面白さです」(和田教授)
15.芝浦工業大学:人の「なんとなく好き」を分析
「なんとなく好き」という曖昧な感覚。これを多角的に分析し、魅力的なものづくりを研究しているのが、芝浦工業大学デザイン工学部の橋田規子教授のエモーショナルデザイン研究室です。「心を分析」して研究した作品が製品化されるチャンスもあり、学内でも高い人気を誇る研究室です。 研究室に所属する学生の一人、大学院修士課程1年の勝藤智哉さんは「フードデリバリーロボットの外観デザイン」をテーマに研究に取り組んできました。約30種に及ぶ既製品のロボットを比較し、おおよそのデザインの方向性を決定。そこから「愛される」秘密を解き明かすために、人による評価と分析、調査を繰り返していきました。
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