軍用機の領空侵犯…北京を訪問した日中友好議員連盟に中国はどう説明?
習近平氏はその場でのスピーチで、日中の友好協力を進める姿勢を表明した。当時、尖閣諸島の国有化などの影響があり、さまざまな交流が途絶えていた。そんな中、二階氏はあえて3000人を連れて中国の首都に乗り込んだ。その後の関係改善の流れができていった。 二階氏は2017年と2019年にも北京で習近平主席と会談している。中国は二階氏を大切にしてきた。それだけ中国とのパイプを持つ二階氏をもってしても、中国の最高指導者・習近平氏は出て来ない。 中国側としては領空侵犯が起きる前から、習近平氏が出て来ないのは決まっていたのだろうが、領空侵犯が起きたとなれば、なおさら出て来ない。中国の指導部で、唯一、自分の言葉でしゃべってよい習近平氏が、領空侵犯について、語るわけにはいかない。 5年ぶりの議員団の中国訪問。そこでの中国側の対応に、加えて起きた領空侵犯。日中関係は当面、低空飛行が続くのか。低空飛行であっても、領空侵犯は許してはいけない。 ■◎飯田和郎(いいだ・かずお) 1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。
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