どうする2025年問題「超高齢化社会」の課題…シニアの知恵で未来を切りひらく 長崎
人手不足については、DXや外国人の活用も大切な論点ですが、特に製造業や建設業のような技術を必要とする業界では深刻です。現在、若い世代が育たないままベテランの技術者が退職していくという状況が続いています。 ■採用活動を強化し10年ぶりに新卒採用に成功 島原市で農水産物の缶詰等を製造する「太洋食品」では、国内で穫れたみかんの缶詰やジュースを加工しています。 今は、ゼリーに使うびわの加工で忙しい時期です。種を取り出し、皮をむくなど、ほぼ全ての工程が手作業です。 太洋食品 山下英剛 事業推進部長: 「従業員さんでも高齢化が極端に進んでおりますので、繁忙期には人が全然足りない状況ですね」 パート・アルバイトの半数以上が60歳を超え、正社員も平均年齢は40代後半です。派遣会社から人を確保して何とか乗り切ってます。スタッフの高齢化を打破しようと、数年前から若い人材の採用活動に力を入れ始め、今年、10年ぶりに新卒の採用に至りました。決め手となったのは《工場見学》で、地元高校を卒業した2人が入社しました。 新入社員 三浦征幸さん: 「自分が普段食べているものをどのように加工しているのかを知り、ここで働いてみたいと思い入社を決めました」 太洋食品 山下英剛 事業推進部長: 「まずは会社がどういった仕事をしているのかっていうのを皆さんに見ていただいて知ってもらうことが就職に繋がるのかなという風に思っております」 ■「頼りにしてもらって職人冥利」シニア人材を再活用し技術の継承 長崎県諫早市小長井町の「中尾建設」はコンクリ-トを流し込むための型枠工事などを行っています。 型枠を組み立て、鉄筋コンクリートや鉄骨構造の基礎をつくる《型枠大工》が特に不足していると言います。 中尾建設 中尾大樹 社長: 「高齢の方しか今はいない… どうやって技術を継承していったらいいものか、ずっと悩んではいますね。リクルート活動に今一番力を入れてまして、隣の佐賀県の高校とかにも学校訪問しています」