大竹まこと「老人ホームは自分にとってつらい」老後を諦めない生き方とは? #老いる社会
「老人ホームに入ることは全く考えていない」と語る理由
――老人ホームで老後を穏やかに暮らしたいと考える人も少なくありません。大竹さん自身はそういった老後の過ごし方について考えることはありますか。 大竹まこと: どうしても老人ホームに入らなければならない様々な事情があるのもわかる。だけど、もし俺が老人ホームに入るなら、そこは恋愛も自由だし、何を食ってもいいし、何時までに帰ってこなくてもいいし、好きなAVがあったら見てもいいしっていう、そういう自由な老人ホームがいいかな。それだと責任が負えないって言われても、それで構わない。栄養が整った食べ物が出てきて、誰かが手伝ってくれて、安定している生活って、ちょっと諦めに近いと俺は思うんだよね。管理される中に入るっていうことは、そういった権利を奪われるっていうことだと思うから。前を向いて生きる狂気みたいなものをしまわないといけない。老人ホームに入る方を否定するつもりはないけど、きっと自分にとってはつらいだろうなと思うよね。 ――これからどう生きたいとか考えることはありますか。 大竹まこと: どう生きたいってのは考えてないっていうのが本音。仕事に関して言えば、どういう理由で呼ばれなくなるかは知らないけど、俺たちの仕事は呼ばれなくなったらおしまいだから。芸人は「行く先々の水に合わねば」って言葉があって、もうダメって言われたらダメなんだっていう、そこら辺の覚悟はできている。ラジオもやっているけど、そこでは自分の言いたいことが言えるような環境でやらせてもらっているしね。 いずれは外国かどこかで優雅に過ごそうとか、そんなことはこれっぽっちも考えてないよね。終活なんてのも考えてないし、老人ホームに入るなんてことも、小指の先ほども考えていない。昔は人生50年だったわけだから、長く生きすぎても嫌なわけよ。もちろん、いろいろと支えられて生きている方もいらっしゃって、そういう方たちにもまた別の悩みがあると思うけど、俺みたいな年齢の芸人になると、野垂れ死にする方が“諦めていない”感じがするんだよね。 ----- 大竹まこと 1949年、東京都出身。タレント。1979年、斉木しげる、きたろうとともにコントグループ「シティボーイズ」を結成。お笑い番組のみならず、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」、テレビ朝日系列「ビートたけしのTVタックル」のほか、ドラマや映画の出演も多数。 文:田中いつき (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました) 「#老いる社会」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。2025年、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となります。また、さまざまなインフラが老朽化し、仕組みが制度疲労を起こすなど、日本社会全体が「老い」に向かっています。生じる課題にどう立ち向かえばよいのか、解説や事例を通じ、ユーザーとともに考えます。