自らカスタムしたカヌー、宝物は限定オメガ!カヌースラローム日本代表・羽根田卓也を支える5つのモノ
3. 抹茶セット 日本文化が大好きだという羽根田選手が、海外転戦の際に持っていくことが多いというもうひとつのアイテムが抹茶セットだ。 「最近はあまり行けていないのですが、茶道の教室に通っていたこともあって。抹茶茶碗と抹茶、茶せんと茶杓を持って行き、ホテルで自分でたてています。 最初は飲むことを目的にしていたのですが、お稽古に通ううちに、“たてること”に意味があると思い始めたんです。今では気持ちを落ち着かせるためにたてていますね」。 元来、お寺や仏像が好きだという羽根田選手。好きが高じて、今年の4月には福井県の永平寺へ、2泊3日の禅合宿にも行ったほど。その座禅を通して、茶道と坐禅がスポーツに通ずるものがあると気づいたという。 「禅合宿中の説法で、坐禅の先に何かがあるわけではなく、坐禅をすること自体が目的だと教えてもらいました。僕たちは日々、『ああしたい、こうしたい』と、連想ゲームをし続けているから悩みが尽きない。でも坐禅に集中することで、その連想ゲームをやめられる。 茶道も面倒臭い手順がたくさんあるのですが、集中しているうちに、嫌なことを忘れられ、リラックスできる。試合前も同じで、『失敗したらどうしよう、ちゃんと練習できたかな』と連想ゲームが始まるから、プレッシャーがかかる。 これまでも丹田を意識し、自然な呼吸に整えていたのですが、最近はその連想ゲームを止められ、より競技に集中できるようになりましたね」。
4. 「MOIRA」のパジャマ 「これは本当に試してみてほしいんです!」と羽根田選手が、カヌー以上に長年愛用しているのが、スロバキアブランド「MOIRA」のパジャマだ。 「スロバキアのコーチに教えてもらったパジャマで、20年くらいリピートして愛用しています。元々スポーツウェアのメーカーでインナーを作っていたのですが、今はその技術を使ってパジャマも作っているそうです」。 リカバリーウェアかと思いきや、見た目は普通のパジャマ。だが、これが普通のパジャマとは全然違うシロモノだというのだ。 「薄くて、柔らかくて、何も着ていないような感覚。僕はパジャマの本質って、着ていることを意識させないものだと思っていて。かといって裸で寝るのは、体も冷える。これは、その絶妙なバランスを取っているんです。これ以上のパジャマに僕は出会ったことがないですね」。 残念ながら現在は日本未発売なのだが、「このパジャマじゃないと、もう寝られない」と羽根田選手が断言するほどの着心地は、試してみたいもの。 「パリ五輪が終わったら、このパジャマを輸入するビジネスでも始めようかと思っているほど素晴らしいものです(笑)」。