自らカスタムしたカヌー、宝物は限定オメガ!カヌースラローム日本代表・羽根田卓也を支える5つのモノ
体を馴染ませやすいよう、オーダーメイドをする選手もいる。しかし、羽根田選手はクッションを切り貼りしたり、脚に合わせた座椅子を作ったり、座りやすいように自らカスタムしていくという。 「スラロームのカナディアンの場合は、カヌーの中にある約10cm四方の座椅子に正座をします。そこから脚を開き、カヌーの内側に押し付け、踏ん張ってバランスを取ります。 激流の中でバランスを取るというのは、すごく難しい。だから、自分の体に合わせて1から作っていくことが必要なんです」。 “自分のカヌー”に仕上げていくのには、選手それぞれの性格が出るそうだ。 「例えば、小学校時代の図工の時間を思い出してもらえるとわかりやすいと思います。すごくキレイにセッティングする選手もいれば、必要最低限のことしかやらない“雑”な選手もいる。僕の場合は、完全に後者ですね(笑)」。 羽根田選手も若い頃は試行錯誤して、こだわって作っていた。だが、年齢を重ねるうちに、最低限まで削ぎ落とそうと、開き直ったような気分になったという。 「セッティングだけじゃなく、“こだわるところ”っていっぱいあるなって思ったんです。技術だったり、大会へのメンタル的なことだったり。だから、セッティングだけに時間を取られている場合じゃないなと気づいたんです。今はいい意味で、要らないところを削ぎ落としていますね」。
2. 「松栄堂」のお香 大一番の前は、どんなベテラン選手だって緊張するもの。そこで羽根田選手が試合の前に取り入れているのが、お香だ。 「家でも焚いているので、特別試合の前だけというわけではないのですが、いつも家でしていることを大会前にやると、自分のペースが取り戻せるので」。 お気に入りの香りは白檀。なかでも、300年以上の歴史を持つ「松栄堂」のスティックタイプのお香がお気に入りだという。 「僕は元々、日本文化が好きなので、和の香りが好きなんです。パリ五輪でも選手村で邪魔にならない程度に焚こうと思っています」。