暗闇に光を届ける―希少難病の支援団体 検査・診断支援するサイトセミナー開催
“健やか親子支援協会”は希少難病の子どもと家族を支える団体だ。なかなか専門医に出会えず診断に至らない、治療法が見つからない――難病患者の難民化とも呼ばれる5つの「ない」を解決するため、“小児希少難病の精査診療機関検索サイト”(以下、検索サイト)の充実を目指している。本稿では、オンライン配信中のセミナーから、希少難病患者が感じる情報不足についてリポートする。【全2記事の1】 (「小児希少難病の精査診療機関検索サイトセミナー」:https://angelsmile.scuel.me/20240215_leaf/) 【プログラム】 ・開会挨拶 ・来賓挨拶 ・基調講演「難病に関わる社会的課題解決への取り組み」 ・部会1 パネルディスカッション「希少難病に関する検査施設と専門医の情報不足を考える」 ・部会2 パネルディスカッション「検索サイトの具体的な使い方の説明(事例)」 ・部会3 パネルディスカッション「今後必要な情報(治験・薬剤)」
◇開会挨拶
・河村秋さん(健やか親子支援協会 理事長) 健やか親子支援協会は▽検査を行った際の検体輸送サービスの提供▽生活基盤を安定させるためのご家族の就労支援や経済的支援を目的とした基金・保険の創設▽希少難病に対する啓発・広報――など、多岐にわたる取り組みを行っている。 検索サイトの構築もその中の1つで、現在では掲載している疾患数も189まで増加した。ご協力いただいている検討委員会、専門医、患者会、検査機関、企業などに心から感謝している。難病患者が早期に専門医につながり、適切な治療・支援が受けられるように、多くの人に検索サイトを知っていただけるように願っている。
◇来賓挨拶
・山田章平さん(厚生労働省 難病対策課 課長) 厚生労働省では、児童福祉法に基づき小児慢性特定疾病に対する医療費助成を実施しており、慢性疾患を抱える子どもの自立を促す取り組みを進めている。早期に正しく診断され、診断後は地域の身近な医療機関で適切な医療を受けられるように医療提供体制の整備や、慢性疾患を抱える子どもが小児期から成人期にかけて切れ目なく支援を受けられるように移行期医療の整備について調査や検討を行っている。検索サイトセミナーを通じてより多くの方の利用を期待したい。 児童福祉法の改正により、2023年10月からは小児慢性特定疾病への医療費助成の支給開始日を遡ることができるようになった。これからも小児慢性特定疾病を抱える子どもが地域で安心して暮らせるよう取り組みを進めてまいりたい。