“寝るときだけ”コンタクトレンズをつけて近視を治す!? 「オルソケラトロジー」の効果や向いている人の特徴を医師が解説!
オルソケラトロジーが向いているのはどんな人?
編集部: オルソケラトロジーのメリットや向いている人の特徴を教えてください。 宇井先生: 近視の進行を抑えたい人はもちろんのこと、日中は裸眼で過ごすことができるので、特にサッカーやバスケットボールなどのコンタクトスポーツや、水泳など水中のスポーツなどをやっているお子さんにはメリットが大きいと思います。また、レンズの着脱も基本的に自宅内なので、例えば「学校にいる間にコンタクトレンズが外れてしまった」といった心配もないため、親御さんも安心できるでしょう。 編集部: では、オルソケラトロジーの注意点はありますか? 宇井先生: 装用してしばらくは効果の持続時間が短かったり、視力が安定するまでは見え方が変動したりすることがあります。ほかにも、大人は夜間まぶしい、にじんで見える「ハロー・グレア」と呼ばれる現象が起こります。また、通常のコンタクトレンズと同様、目の傷のリスクや感染リスクが伴うので、毎日のケアと定期検査を適切におこなうようにしてください。 編集部: オルソケラトロジーは誰でも受けられるのですか? 宇井先生: 日本のオルソケラトロジーガイドラインが2018年に改正され、これまで禁忌だった20歳未満への使用が慎重使用となり、小中学生でも使用が可能になりました。ただし、まずはオルソケラトロジーが適応となるかどうか、近視・乱視の度数、目の病気の有無、涙液の検査などをチェックする必要があり、近視の度数や角膜の形状、目の病気によっては、適応外となる可能性もあります。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 宇井先生: 体の成長に伴って、近視が急速に進行するお子さんは多くいらっしゃいます。この時期にオルソケラトロジーをやっていると、やらなかった場合に比べて大人になったときの近視の進行度が少なく済むと考えられています。医療機関によって差はありますが、保険診療の際に無料でカウンセリングをおこなっている眼科もあります。さらに、お試し装用をしてみて、合わなかったらやめることも可能なので、まずは近くの眼科で相談してみてはいかがでしょうか。