党首討論、野党の求める時間延長に自民が〝苦慮〟 石破首相は以前「2時間やるべき」
開会中の臨時国会で政府・自民党が開催を目指す党首討論を巡る調整が異例の展開になっている。通例は45分だが、自民は野党の求めに応じ、時間の延長を検討している。石破茂首相（自民総裁）がかつて党首討論の大幅延長の必要性に言及したことも背景にあり、自民内からは「前例を作ることになるが仕方がない」とのボヤキも漏れる。 【ひとめでわかる】朝日・読売・日経・共同…各社世論調査の石破内閣支持率 自民の坂本哲志、立憲民主党の笠浩史両国対委員長は4日、国会内で会談。自民が提案した9日の党首討論について、十分な時間確保を条件に開催することで合意した。延長時間は引き続き協議するが、自民は15分延長し、全体を1時間とする案を検討している。 首相が9日の衆院解散を表明するなど過去にない状況でもあり、坂本氏は会談後、記者団に「15分だけは延長していいのではないかと（自民の森山裕）幹事長と話をした」と説明した。 通例の45分の党首討論は野党各党の持ち時間が細切れになり、議論が深まらないと指摘される。そのため、野党は首相を一方的に追及できる予算委員会の開催を引き続き求める構えだが、自民は9日の党首討論開催で野党側と折り合い、同日中の衆院解散につなげたい考えだ。 ■「時間の短さ、いったい何」 そんな中で自民の国会戦略に予想外の影響を与えたのが首相の過去のブログだ。首相は就任前の6月、先の通常国会で3年ぶりとなった党首討論に関し「この開催頻度の少なさと時間の短さは一体何なのでしょう」と批判。「総質疑時間として最低2時間は充てるべきだ」と提案した。 これを踏まえ、立民の野田佳彦代表は今月4日の記者会見で、「6月に言ったことを守ってくれるか分からないが、（党首討論では）最大限時間は取らなければいけない」と強調した。 首相は先の自民総裁選中は開催に前向きだった予算委に応じない構えも示している。党首討論でも過去の言及との矛盾が生じれば厳しい批判を浴びかねないだけに、自民内ではさらに延長時間を増やし、全体を1時間20分とする案も浮上している。（今仲信博）
