巨人・原監督が警戒する広島とのCS対決
広島が強い。 今季の東京ドームでの最終戦となった29日の巨人戦では4-0の完封リレーで、セ・リーグの覇者を封じ込めた。先発4本柱の一人、大竹は7回、無失点で2年連続の2桁勝利となる10勝目を手にした。試練も乗り越えた。2-0で迎えた7回二死二、三塁。一打同点のピンチで長野の打った三塁線への当たり損ねのファウルを追った際に足がつってしまったのだ。 [表]広島カープ 12年前に幻のAクラスがあった 治療のため一度、ベンチへ下がるという緊急事態だったが、再びマウンドに帰ると長野をセカンドゴロに打ち取って見せた。チームの勢いが、そのまま大竹の肩に乗り移ったかのような気迫が溢れるピッチングだった。同日、先に試合を終えていた2位の阪神は、横浜に敗れたので、両者のゲーム差は「3」に縮まった。
9月の広島は貯金「8」
9月の成績を見比べると、阪神は24試合で6勝16敗2分(借金10)。対する広島は、23試合で15勝7敗1分(貯金8)。一時は、阪神に10ゲーム以上離されていたが、今や勢いは完全に逆転している。ただ、広島の残り試合は3で阪神は6試合。両チームの直接対決は1試合しかないので、2位浮上は広島にとって他力本願にはなる。それでも今の広島の勢いから見れば逆転劇は現実的だろう。この後のクライマックスシリーズでは、カープの9月の勢いが、そのまま出そうな雰囲気はある。
巨人は広島を警戒
先日、東京ドームで原監督と少し立ち話をした。 「優勝おめでとうございます」と声をかけると、原監督は「運も味方しました」と謙遜してから、クライマックスシリーズ進出を決めていた広島について語り始めた。 「元々、マエケンがいるわけですから計算の立つチームなんですよね。問題は打線だったのでしょうが、キラが入ったことで、つながりが生まれました。ウチからすれば、本来、確実に(打線を)切れるところで切れなくなったんです。今は、セ・リーグで一番勢いに乗っているチームですよね」 私が「クライマックスでは阪神より広島が嫌でしょう?」と返すと、原監督は、苦笑いを返しただけだったが、その表情がなによりの答えだろう。