防府読売マラソン32km過ぎ「ここからは一人で行こう」…中西亮貴、息切らす選手見てスパートし制す
陸上・第55回防府読売マラソン(1日・山口県防府市キリンレモンスタジアムソルトアリーナ防府前―同スタジアム陸上競技場)――男子は初出場の中西亮貴(トーエネック)が2時間9分7秒で制した。32キロ付近で先頭集団から抜け出し、逃げ切った。52秒差の2位に山本翔馬(NTT西日本)、3位は宮沢真太(スズキ)。(スタート時=晴れ、気温13度、湿度60%、北西の風0・1メートル) 【一覧表】防府読売マラソン成績
先頭集団が3人に絞られた32キロ過ぎ、中西は周りを見た。息を切らしている選手を見て、「ここからは一人で行こう」と判断。想定していた37キロ付近までは距離があったが、徐々にペースを上げた。後続を引き離してからも淡々とした表情で走り続け、2位と52秒差でフィニッシュ。両手を広げてゴールテープを切り、笑顔を見せた。
レースに向けて、9月末から2週間に1度、40キロ走を行ってきた。「一人で走るのは苦手」と自身の走りを分析するが、この日は単独で先頭に躍り出てもペースを崩すことなく、前へと足を運んだ。「焦らずに練習通りの動きで走ることができた」と振り返った。
岐阜県出身の28歳。初挑戦となった2022年の別府大分で2時間8分51秒をマーク。その後もマラソンに挑んだが、トップでゴールしたことはなかった。「記録を出す選手より、大会で優勝するただ一人の選手になりたい」。内容やタイムではなく、あくまで結果にこだわった。
来年1月の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の後に、2月の大阪マラソンに臨む予定だという。「次は、タイムと順位の両方を狙うレースをして、(来年9月の)世界選手権の選考にかかる選手になりたい」。つかんだ結果が、確固たる自信につながっている。(古島弘章)
山本翔馬「30キロまではリズムよく走れていたが、腹痛で失速した。ただ、2位という結果はよかったと思う」
宮沢真太「思い描いていたレースができ、初マラソンとしては納得のいく結果だ」