販売数激変&価格高騰で中古マンションも買いにくい!? 最新市況を不動産アナリストが徹底解説【2024年11月版】
首都圏の中古マンション市況【2024年9月度】
2024年9月度の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比4.5%減少の3,047件となっており、3カ月連続で前年同月を下回った。価格の上昇が続く一方で供給も減少し、購入者が減少している状況だ。 成約価格は、前年同月比+5.3%の4,861万円。平均成約㎡単価は、対前年同月比4.7%上昇の75.86万円となっている。成約㎡単価が前年同月を上回るのは、53カ月連続となる。また、2024年9月の新規登録物件の㎡単価は、78.81万円となっていて前年同月比で8.3%上昇している。 首都圏の中古マンション市場動向2024年9月 2024年9月の新規登録物件数は、対前年同月比で4.8%減少の16,195件。在庫件数は前年同月比で1.9%減少し45,403件となっているが、前月比では2カ月連続で増加した。 下のグラフは、過去5年間の首都圏の中古マンション価格(成約㎡単価、在庫㎡単価)と在庫件数の推移を示す。在庫件数は、ここ2年ほどは4万5000戸前後で推移している。 東京23区の中古マンション価格は前年同月比+11.2% 次にエリア別の中古マンション動向を見てみよう。 エリアごとの数字を見ると、首都圏の中古マンション市場で価格帯の二極化が進行。高価格帯の取引が増加している一方、周辺県への需要流出も見られる。 成約㎡単価をみると、都区部に加え埼玉県や千葉県も対前年同月比、前月比で大きく価格を伸ばしている。成約件数は、東京都が前年同月比で-12.3%と大きく減少しているのに対し、千葉県は+19.9%、神奈川県は+2.2%と伸びている。 都区部の成約状況に目を向けると、都心3区の成約件数が対前年比21.7%の大幅減少。城東地区(-15.8%)、城南地区(-14.4%)、城西地区(-8.1%)、城北地区(+5.4%)。対前年比で成約件数が伸びているのは城北地区のみで、その城北地区も7月、8月はマイナスだった。価格の上昇に加え、新規登録物件が伸びず在庫が低水準にあることも要因だ。 成約平均価格は、都心3区が1億332万円、城東地区5,731万円、城南地区6,063万円、城西地区7,709万円、城北地区5,492万円。東京23区は、新築マンション価格の上昇が著しいが、中古マンション価格も手が届きにくくなりつつある。 埼玉県、千葉県、神奈川県では、中古マンションの成約平均価格はまだ値ごろ感があり、さいたま市が4,039万円、千葉県総武地区(市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、浦安市、習志野市、八千代市)が3,611万円、川崎市が4,704万円。東京都心のように新築マンション価格が上昇すれば中古マンション価格の相場も上昇する可能性もあり注意が必要だ。 東京都の四半期ごとの成約データを見ると、24年(7月~9月)は前年同期(7月~9月)と比べ、1億1万円~の成約シェアは、10%から12.9%へと大きく伸びている。 東京都の中古マンション価格帯別成約件数 いっぽうで7,001万円~1億円の成約シェアは17.3%から15.7%へと減ってきており、いわゆる高価格帯の購入層の厚みが増えたわけではない。5,000万円以下で見ると51.5%から50.1%へ1.4ポイントの減少。低価格帯の成約シェアが大きく減っているわけではなく、東京都内でも二極化が進んでいるのだろう。
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