「母親らしくない」たたかれてもいい 嫌われることを恐れない、50歳を迎えた千秋の夢
男性ファンがいたんだって超びっくり
最初に公開したポケットビスケッツの代表曲『POWER』を歌う動画は、瞬く間に再生回数100万回を突破して、ネットニュースでも取り上げられて話題になった。 「ポケビのときにも100万人署名活動っていうのがあって。みんなから勇気をもらって、それを私が歌で返すっていうのをやっていたので、今回も同じことが起こったな、と思ったんです。インスタのコメントでみんなに背中を押してもらったから、また頑張ろうっていう気持ちになれました」 それまでやっていたブログやインスタでは、フォロワーの約98%が女性だったのに対して、YouTubeでは65%が男性だった。 「どんだけ私が頑張っても、男性はみんな千秋はうるさい、嫌い、わがままってなるから、20年くらいずっと私のファンは女性だけなんだと思ってやっていました。テレビとかレギュラー番組の『ノンストップ!』だと『男なんてバカだ』って女性代表みたいな意見を言うことが多くて、まあ嫌われて当然だろうなと思ってた。YouTubeのおかげでこんなに男性ファンがいたんだって初めて知って、超びっくりしました」 ポケビのプロデュースを手がけたパッパラー河合氏の協力を得て、歌手としての活動を再開。6月3日に新曲『GREEN FLASH』をリリースした。 「『GREEN FLASH』っていうのは、太陽が沈むときに一瞬だけ緑の光が輝く現象のことです。私は50歳なんですけど、普通の方だったら会社でも役職についていたり、子育てももう終わるころじゃないですか。でも、やりたいと思ったら遅すぎることはないと思うんですよね。これからの人生で今が一番若いんだから、もう一度夢を追いかけてみようっていう思いを込めて、この歌を作りました」
芸能界は嫌だったらすぐ辞めちゃう
長年の夢をかなえて歌手になり、大好きな『ドラえもん』のドラミちゃんの声優にもなった。彼女が自分の思い描く夢を次々に実現できたのはなぜなのか。 「やりたいことがあるなら、恥ずかしいとかバカみたいと思わずにやりたいって言うのが大事だと思います。小学校のとき、卒業文集で将来の夢は芸能人って書いたらめちゃくちゃ笑われたんですけど、そこで『絶対に芸能人になって見返してやる』って思えたんですよね。それに、言うことで仲間が集まってくるし、情報も自然に入ってくるようになるんです。私は自分の夢をいつも言いまくっているので、かないやすいところにいられるんだと思います」 昨年、千秋は芸能生活30周年を迎えた。タレント活動を始めたころには、こんなに続くとは予想していなかった。 「もともと親にはずっと反対されていて、デビューのときにも、芸能の仕事で生活ができなくなったらすぐに辞めて一般の仕事に就く、っていう念書を書かされていました。悔しいから親に認められたくて頑張ったし、何よりストレスがなかった。芸能界では休養してしまう人も多いけど、私は仕事で悩んだことが一回もなくて。辞める選択肢がいつも上のほうにあって、今も嫌だったらすぐ辞めちゃおうって思ってる。だから辞めなかったっていうのもあるかもしれないですね」 芸能人としての需要がなくなってもデザイナー業がある、海外旅行をはじめとしてプライベートでやりたいこともたくさんある。 「30年以上やっているから、芸能界はもちろん大きな居場所なんだけど、それ以外にもちっちゃい居場所をいっぱいつくっているから、そのうちの一つがなくなっても別にいいって思っているのかもしれません」