安倍元首相の進めた「アベノミクス」をどう評価するのか
安倍晋三元首相は在職日数の長さだけでなく、政策面でも異色でした。改めてその成果を検証します(写真:Sirichai/PIXTA)
安倍晋三元首相が亡くなった。今回は安倍元首相が推し進めた政策、通称「アベノミクス」が何を成し遂げ、何が未完に終わったのかを検証する。 アベノミクスは(1)大胆な金融政策、(2)機動的な財政政策、(3)民間投資を喚起する成長戦略という「三本の矢」を掲げ、日本経済のデフレからの脱却を目指した。 実際、当初はリーマンショックと東日本大震災で落ち込んでいた日本の景気が急回復した。日本企業の利益は増加し、法人企業統計によれば企業(金融を除く)の経常利益は2011年度の45.3兆円から2018年度には83.9兆円へとほぼ倍増した。2011年に8000円台だった平均株価は2020年には3万円台乗せとなった。株式市場におけるアベノミクスの評価は高い。 一方、日本経済全体が1990年代以降の長期停滞状況から脱したかといえば、かなり怪しい。
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新見 未来