「百日咳」患者が宮崎などで増加中! 中国では6万人が感染「長引く咳に注意して」
百日咳とは?
編集部: 百日咳について教えてください。 中路先生: 百日咳は激しい咳を伴う病気で、百日咳菌に感染することで発症します。感染経路としては、主に気道の分泌物によって感染が広がっていきます。 激しい咳が出るため、乳幼児では呼吸ができなくなり、チアノーゼと呼ばれる血液中の酸素が不足して皮膚が青っぽく変色する状態になったり、けいれんを起こしたりすることがあります。また、窒息や肺炎などの合併症が起きる場合もあります。 百日咳にかかった子どものうち、0.2%が亡くなると言われています。なお、生後6カ月以内の場合は死亡率が0.6%に上がります。また、合併症として肺炎になる子どもが約5%、生後6カ月以内では約12%いるとされています。 百日咳を予防するためには、ワクチン接種が有効とされており「罹患リスクを80~85%減らすことができる」との報告があります。
百日咳の感染者数増加についての報道への受け止めは?
編集部: 百日咳の感染者数増加についての報道への受け止めを教えてください。 中路先生: 百日咳は感染力は強く、「はしか」と同程度とされています。感染経路はくしゃみなどの飛沫を吸い込むことによる「飛沫感染」と、手指などを介した「接触感染」の2つです。 感染した場合でも、早い段階であれば抗生物質を使用することで、症状の軽減や罹病期間を短縮することが可能とされています。 ワクチン接種・基本的感染対策に加えて、変わった咳が長く続いていると思ったら、早めに医療機関を受診することが感染の封じ込めに重要と考えます。
まとめ
激しい咳が続く百日咳の感染が宮崎市などの一部の自治体で増加傾向にあり、自治体がHPなどで注意を呼びかけていることが今回のニュースでわかりました。罹患した子どもが死亡するリスクもある病気の感染者数増加は、今後も注視する必要があります。
【この記事の監修医師】 中路 幸之助 先生(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター) 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
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