台風10号 28日頃には北陸を直撃か 接近前から局地的な大雨も 暴風・高波に警戒
台風10号は、暴風域を伴ったまま強い勢力で28日頃には北陸地方に最接近するでしょう。本州付近には前線が停滞し、台風が近づく前から局地的な大雨がありそうです。大雨による土砂災害や浸水害、暴風による停電や農作物・農業設備への被害、交通ダイヤの乱れなどが発生することもありそうです。また、28日以降は北陸地方の沿岸部に近い所を東進する可能性も出ています。影響が長引くことにも留意し、早めの対策をお願いします。
台風10号の進路図
台風第10号は、23日9時現在、マリアナ諸島にあって、北へ毎時10kmで進んでいます。中心気圧は985hPa、中心付近の最大風速は30m/sです。この台風は、24日9時には小笠原近海に達し、26日9時には日本の南に達するでしょう。28日9時には本州に達する見込みです。台風周辺地域および進路にあたる地域は暴風や大雨に、台風の進路にあたる海域は大しけに厳重な警戒が必要です。
予報円の中心を進めば北陸直撃 28日の予報円が大きいのは?
28日の予報円はまだ大きく、四国・中国地方から関東地方まで含まれています。台風10号は、上空の太平洋高気圧の縁に沿って北上すると考えられますが、この高気圧の勢力予想には幅があります。台風が高気圧の勢力を強めれば、西への張り出しが強まり、台風は西寄りを北上するでしょう。反対に、高気圧の勢力があまり強まらなければ、東よりを北上するでしょう。間をとって予報円の中心線を進めば北陸地方を直撃することにもなります。高気圧の勢力は、台風の発達の程度に依存してくるのです。
海面水温の分布は東経140度線を境に西高東低 西側を北上すればより発達
図は、直近の8月21日の日本近海の海面水温分布です。概ね東経140度線を境に西側は30度前後と高く、東側は27度前後と西側よりやや低くなっています。台風が東経140線より西側を北上するとより発達が見込まれます。それに対応して高気圧は西への張り出しを強めることにもなりそうです。
秋雨前線と台風の危険な組み合わせ 台風が近づく前から大雨警戒
現時点では、北陸地方への台風の最接近は28日頃の予想となっています。ただ、本州付近にはこのあと前線が顕在化して、台風起源の暖湿気が流れ込んで活動が活発となるでしょう。北陸地方は広い範囲で大気の状態が不安定となる見込みです。雨雲が発達し、局地的には激しい雨や雷雨もありそうです。台風の北上に伴い、総雨量が増える可能性もあり、大雨への備えを今一度確認して下さい。