映画監督・白石和彌が語る「時代劇の可能性」 「海外の人たちって日本の時代劇が大好きなんです」
白石:本数を重ねて年齢を重ねていくと、情熱が少しずつ薄れていくのは感じるんですよ。それに抗いながらどこに自分のものづくりの衝動を持つようにするのか、というのはいつも考えていますね。でも、「十一人の賊軍」は笠原さんのプロットを読んだ時から、すごい衝動を感じていたんです。今は無事完成して抜け殻状態(笑)。最近になって割と時間もできたので、映画を観たり、本を読んだりしてインプットしている時期です。忙しい時って目の前のことをこなすだけでいっぱいいっぱいなんですよ。なんでもない時間を過ごしていると、いろんな発見がある。ニュースを見てても、当事者の気持ちを考えてみたりね。そういう時間は大切だと思いますね。
――そういう時に新作のヒントが生まれるのかもしれないですね、これから映画監督として挑戦してみたいことはありますか?
白石:映画を撮れば撮るほど、自分がやりたいのはエンタメなんだなって思うんですよ、今回の作品はそんなに明るくはない作品なので、一回、「白石らしくない」って言われるくらい明るいものを撮りたいですね。例えば等身大の高校生のラブストーリー……いや、高校生は等身大じゃないか(笑)。おっさんの純愛映画なんて、いいかもしれないですね。
PHOTOS:MASASHI URA
■映画「十一人の賊軍」 11月1日から全国公開 出演:山田孝之 仲野太賀 尾上右近 鞘師里保 佐久本宝 千原せいじ 岡山天音 松浦祐也 一ノ瀬颯 小柳亮太 本山力 野村周平 音尾琢真 / 玉木宏 阿部サダヲ 監督:白石和彌 企画・プロデュース:紀伊宗之 原案:笠原和夫 脚本:池上純哉 音楽:松隈ケンタ 配給:東映 https://11zokugun.com ©2024「⼗⼀⼈の賊軍」製作委員会