「君が淹れてくれるコーヒーは…」自暴自棄の球児の人生変えた魔法の言葉 高校野球の監督からプロ野球4軍監督へ転身、大越基さんが大切にする愛情
一杯のコーヒーの話。末永さんは「実は…」と明かしてくれた。「誰が作っても味はそんなに変わりません。でも、氷を細かく砕いて入れていました」。その方が均一に冷えると考えたからだった。冬場は濃いめのホットコーヒーが好きだった監督に合わせて、粉の量を多めにしていた。 相手を思いやる工夫に感心した大越さんは「この子が入れるコーヒーはおいしいんです」と、来訪者に紹介し続けた。末永さんは、この「おいしい」という4文字に、自分の存在意義を見いだした。 「誰かの喜びや、役に立つことが生きがいです。大越先生から学びました」 古民家を改装した店は、JR美祢線の於福駅からほど近い場所にある。きれいな水と空気の恵みに感謝しながら、末永さんは大好きなコーヒーとともに、これからも日々大切に生きていく。 人生とは、人を想(おも)うことなのかもしれない。(西口憲一) 【#OTTOソフトバンク情報】
西日本新聞社