「皇后雅子さま」と英国の「アン王女」。国も年齢も関係ない、永遠のロイヤルスタイルの共通点
皇后雅子さまの場合……
こちらは、フランスの大統領夫妻をお迎えされた際の皇后雅子さまのファッションですが、定番といえるシングルジャケットにタイトスカートのスーツをお召しになっています。襟の形は、ショールカラーと変形襟と左右で異なる個性的なデザインですが、基本はベーシックスタイルのスーツです。 襟の部分の光沢ある素材に合わせて、インナーのブラウスもシルクの光沢が上品にマッチしていますね。 そして、やはり皇后雅子さまのスカート丈も、膝がちょうど隠れる長さです。これは、エリザベス女王のルール同様、座った時でも膝が丸見えにならない丈と推測します。 基本的には、白やベージュ、ネイビーといったナチュラルで控えめな鉄板カラーが中心の皇后雅子さまですが、ブルーやイエロー、ボルドーなどカラーも御公務の内容によっては、お召しになります。 英国が、遠目からでも存在感のあるはっきりとした鮮やかな色目が中心なのに対し、皇室では優しさのあるペールトーンの色が主流であるところが、まさに国や価値観の違いを示しています。
(2)マニッシュパンツスーツアン王女の場合……
今年初めにスリランカを公式訪問された際のアン王女のファッションがこちらでした。 カーキがかったベージュのテーラードジャケットとワイドパンツのセットアップの中に、ブルーのシャツをお召しになった王女。 こちらもやはりジャケットはシングルで、着こなすのが難しいワイドパンツとのコーデも難なくお似合いなのは、日頃からパンツをよくお召しになっているアン王女だからこそでしょう。 ジャケット+チノパンなど、単品でスマートカジュアルなパンツの着こなしも公私にわたってされているし、またドレスコートにソフト帽子をプラスしたマニッシュな着こなしなど、元々メンズライクで、クラシックなスタイルがお好きの王女でいらっしゃいます。
皇后雅子さまの場合……
一方、皇后雅子さまもパンツスタイルがとてもお似合いになることは、もう皆さまもご存知でしょう。 これは、海外へ公式訪問をされる皇太子さま(当時)のお見送りを東宮御所でされた時のファッションで、ヌードカラーのパンツスーツをお召しになっています。アン王女と同様、シングルのジャケットに、テーラードシルエットのパンツが、少しマニッシュな印象ですね。 ただ、襟がテーラードではなく少し幅広で、ギャザーが取られたソフトなニュアンスがプラスされています。インナーには白のブラウスと、パールのネックレスをお着けになり、全体として絶妙な甘辛バランスが完成しています。 アン王女がカジュアル素材だったのに対し、皇太子妃雅子さま(当時)はフォーマル感のある素材で、通常ご公務に幅広く活躍してくれるタイプです。 そして、ベージュ×ブルーとコントラストの効いたカラーコーデのアン王女と、ヌーディカラーのワントーンと控えめかつ上品なカラーがお似合いの皇后雅子さまです。
にしぐち 瑞穂