年末商戦に期待する米小売各社、ブラックフライデーの客足は低調か
(ブルームバーグ): ニューヨーク市ヘラルドスクエアにある米百貨店メーシーズの旗艦店ではブラックフライデーの29日、午前6時の開店時に10ドル(約1500円)のギフトカードを配布したものの、大群衆を引き寄せるには十分ではなかった。
ドイツから訪れているアンドレ・ランガーさん(25)とニコール・ギャラ-さん(26)は開店に合わせて同店舗に到着した際、入り口から人々が店内になだれ込むのを予想していた。しかし、買い物客の数は思ったよりも少なく、バーゲンも「それほど大したことはなかった」とランガーさんは述べた。
メーシーズなど中間所得層向けの小売各社は年末商戦を迎え、限定商品や掘り出し物がさえない需要の回復につながると期待している。
米家電量販店ベスト・バイは、人気商品を対象とする期間限定の特大セールイベントを6年ぶりに復活させた。ディスカウントストアを展開する米ターゲットは需要のけん引役として、人気歌手テイラー・スウィフトさんの公演を記念した書籍「エラズ・ツアー・ブック」のような限定商品に期待をかけている。一方、米百貨店コールズはダイソンやキューリグといった家電製品ブランドの値引きを増やした。
ただし、こうした努力は大部分において、買い物客を十分引きつけるまでには至っていないようだ。ニューヨーク州マウントバーノンにあるベスト・バイの店舗は、午前8時少し前の時点でほぼ空っぽで、客足は予想よりずっと少なかったと、同店の警備員は話した。
見通し弱め
米国の小売企業はホリデーシーズンに年間売上高の約20%を稼ぎ出す。今年は過去に比べて軟調に推移していることが、初期の予測で示唆されている。
全米小売業協会(NRF)によると、今年のオンラインおよび店舗でのホリデー売上高は2.5-3.5%増になる見通し。これは昨年実績の3.9%増を下回る。これらの数字は11月と12月の売上高を反映したもので、インフレ調整していない。