“昭和99年”語り継ぐ「戦争は絶対したらいかん」神戸に今も残る『防空壕』 空襲におびえた当時小学生は現在85歳 あの時の記憶を語る
■薄れゆく記憶を次の世代へ「戦争は絶対したらいかん」
戦後、窪井さんは戦争の記憶を胸にしまっていましたが、2023年、神戸市が防空壕の調査を始めたことをきっかけに、語り始めました。 戦争の記憶を次世代へつなげるため…。 神戸市が市内に残る防空壕の情報や、当時のエピソードを集めたところ、市内には17基の防空壕が残っていることが分かりました。 【神戸市行財政局 総務課 小西啓輔課長】「実際に戦争を体験された方が高齢化し、資料が散逸化していく現状もある中で、市民が持っている情報を寄せていただく、物として届けていただくことで、われわれとしては保存・保管、あるいは発信するという形で次の世代につないでいくことに一定貢献できるのかなとは思っています」
集まった情報は、神戸市立中央図書館で戦時中の資料と共に展示されている他、市のホームページでも公開されています(展示は8月16日まで)。 この調査に窪井さんが協力した理由は、記憶が風化していくことに危機感を抱いているからです。 【窪井靖男さん】「防空壕が残っている数が少ないと聞いて。『私のところに防空壕があるんや』ってことは言っていないから、知っている方は少ないです。私らの年代では『あんたのところ防空壕あったな、今でもあるんか?』って話はしますけど、若い人は全然知らない」 【吉原功兼キャスター】「お子さまともこういう話を?」 【窪井靖男さん】「滅多にないです」 【吉原功兼キャスター】「なかなかできないものですか?」 【窪井靖男さん】「『またその話か』ということになるからね。もっと興味持ってもらわないといかんけど」
今年86歳を迎える窪井さん。経験を若い世代へ伝えていきたいと願っています。 【窪井靖男さん】「戦争のないように。もう私ら90歳が近いんですけど、生き残っていますけど、戦争は絶対したらいかんということは第一にありますね」 【吉原功兼キャスター】「世界では戦争が起きている今だからこそ、戦争の怖さを今訴える必要はありますよね?」 【窪井靖男さん】「あります。絶対したらいけませんな」 「戦争の怖さを次世代にも話して、伝えるべきだと思います」 終戦からまもなく79年。実際に経験した人が少なくなっていく中、残された世代が次の世代へ伝えていく役割を担わなくてはいけません。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年8月13日放送)