ロシア無人攻撃機の残骸をウクライナが回収、怪しげな「ステルス技術」を解剖へ
Su-57の画像を見て西側の専門家は驚愕した
■大ボラ吹くロシア ロシアのステルス性能が満足なレベルに達していないことを示唆する証拠はすでにいくつかある。ウクライナの技術者は2023年、ロシア軍のKh-101(X-101)長距離巡航ミサイルの残骸を解析する機会を得た。Kh-101は対レーダーコーティングが施されていると言われてきたが、ウクライナメディアの報道によれば実際は違っていた。 「調査の結果、Kh-101はロシアの主張に反して、レーダー波の反射を抑える特殊な塗料で覆われていないことがわかった」とウクライナのニュースサイト、ディフェンス・エクスプレスは伝えている。「Kh-101の筐体にRAMコーティングが施されているというロシアの話は、すべてプロパガンダにすぎないことが判明した」 同様に、ロシアが最近Su-57の画像を公開したとき、西側の専門家たちはその粗雑な仕上げに驚愕した。ステルス機は、わずかな突起でもレーダー反射に大きく影響し得るため、表面を完全に滑らかにすることが求められる。たとえば米空軍のステルス戦略爆撃機ノースロップ・グラマンB-2スピリットは、さまざまなレーダー波吸収テープを貼る必要があり、許容誤差は1000分の1インチ(1インチ=約2.5センチメートル)以内とされるなど、メンテナス要件が非常に厳しいことで悪名高い。画像のSu-57は、主翼と胴体のいたるところでネジ頭やリベットがむき出しになっており、ステルス性能の低さを露呈していた。 ロシアのカルチャーからすると、ロシア軍の上級指揮官でさえ、自国のステルス技術のこうした欠点に気づいていない可能性は大いにある。誰も悪い知らせを報告したがらないし、ロシアの防衛請負業者は調達当局者をトップに至るまで買収する方法を知っている。 ロシアの指導者たちは、高価で大々的に宣伝された自国のステルス無人機が、実のところまったくステルス性がなかったという事実をまさに知ろうとしているのかもしれない。そして、それは一般メディアの報道に接することによってだろう。
David Hambling