自己最多8本の3ポイントシュート成功、琉球ゴールデンキングスの松脇圭志に芽生えるエースシューターの自覚と覚悟
「去年よりシュートを打つ意識は高めています」
今シーズンの松脇は、ここまで1試合平均の3ポイントシュート試投数が自己最多の6.6本と、昨シーズンの平均5.4本から増加。6.6本は現時点でリーグ5番目の多さで、名実ともに岸本と並ぶチームのエースシューターとなっている。だが元々性格が控え目なこともあり、『今日は調子が良いから自分にもっとボールをくれ』といった良い意味でのエゴを出すことはない。 琉球の桶谷大ヘッドコーチは、「マツ(松脇)のスペシャルな部分をチームにどういう風にフィットさせるのか考えています」と、松脇の外角シュートに大きな信頼を寄せている。だからこそ、「本人の性格かなと思いますが、僕ら的にはどっちかというと『俺にやらせろ』と言ってほしい。将来的には責任を持って『自分でやりたい』と言い出すようになってほしいです」と語る。 この点について松脇に聞くと、「自分はエゴを出すタイプではないです。空いたら打てればいいですし、僕が入ることで(マークを引き付ける)おとりになれればいいと思います。『俺にパスをよこせ』みたいなことはないです。『ある』って言ったほうがいいですかね」と笑って答えた。 ただ、松脇なりにエースシューターとしての自覚は確実に増している。「去年よりシュートを打つ意識は高めています。桶さんにも『打っていけ』と言われていて、成功率とか関係なく、打てるところで打っていこうと思います。今日みたいにシュートが入っている時は自分でもチームメートに『これをやってくれ』とお願いしたり、ガードの選手に自分のシュートを打てるコールをしてほしいと言ったりはしています」 琉球の一番の武器は何といってもクーリーとカークを中心としたインサイドアタックだ。この試合の川崎のように、ディフェンスを収縮させてゴール下に人数をかけて守られるケースは今後も続いていくだろう。そこで大事になるのは、キックアウトからの外角シュートをいかに決め切れるかになる。 今後も水曜、土日と過密スケジュールが続く中、岸本がいつ復帰できて、どれくらいプレーできるのか不透明だ。だからこそ、「コンスタントに(3ポイントシュートを)1試合4本、5本と決められるようになっていきたい」の意気込む松脇が、この試合のように積極的を持ち、強気でシュートを打ち続けることは、琉球が貯金を増やしていく上での肝となってくる。
鈴木栄一