再選後に「“もう辞めたい”という声も」…職員30人が告白した斎藤元彦知事へ“もの言えぬ空気”とは「理不尽な異動が怖い」
〈斎藤知事の「“選挙後の疑惑”をテレビは当初大きく取り上げなかった」兵庫県知事選に「テレビ不信」をもたらした“報道の穴”〉 から続く 【画像】斎藤元彦知事について語る、OB職員の姿 パワハラ疑惑・おねだり疑惑などの対応をめぐって県議会議員の全会一致の不信任決議案可決を受けて前知事の斎藤元彦氏が失職したことで実施された兵庫県知事選挙。11月17日に投開票が行われて斎藤氏が再選を果たした。 これまでの数々のテレビ番組で改めて注目したいのが10月2日にNHKが放送した「クローズアップ現代」だ。タイトルは「兵庫県職員30人の告白“もの言えぬ空気”はなぜ生まれたか?」として、選挙前の斎藤県政がどのように運営されていたのか。それを職員の声を中心に再現した番組だ。(全2回の1回目、 後編 に続く) ◆ ◆ ◆
約4割が斎藤氏のパワハラを見聞きしたと回答
再選翌日の記者会見で斎藤氏は「県議会と県職員の皆さんとの関係をしっかり前に進めていくことがすごく大事」「有権者が評価してくれたのは主に実現した政策」「政策をどう進めていくかが大事」「県職員も県議会も同じ思いをお持ちだと思う」などと話していた。 今後注目すべきは、斎藤氏の再選で再び彼の下で働くことになった兵庫県庁の職員の心中だ。兵庫県議会の「百条委員会」が実施した県職員約9700人(回答は約6700件)のアンケートでは約4割が斎藤氏のパワハラを見聞きしたと回答している。
「知り合いの職員でも“もう辞めたい”という声も」
この日のTBSの朝の情報番組「THE TIME,」では、現役の兵庫県職員の話として今回のSNSを使った選挙戦略について「SNSを駆使するやり方は構わないですが、伝える中身の問題ですよね。人のプライベートを晒す。あるいは嘘を言う。個人的には残念だと思います。知り合いの職員でも“もう辞めたい”という声も聞こえてきます」と失望の色を濃くしていた。 さらに再選後、選挙戦略にかかわったと自らネット上に公表したPR会社の女性社長の行為が「公職選挙法違反」になるのかどうかが、選挙後にわかに焦点となった。12月2日、大学教授と弁護士が斎藤氏とPR会社社長を警察と検察に公職選挙法上の「買収」の疑いで刑事告発したことを発表。一方で告発状が受理されて捜査が進んだとしても、実際に裁判で決着がつくまでは3~4年はかかるという見方は根強い(同日のフジテレビ「イット!」)。万一、裁判で有罪になった場合でも斎藤氏は4年の任期を全うできる可能性があるという。