佳子さま方は「百合」の宝冠 「フェニックス」のティアラをご希望の女性皇族は? 製作した工房が明かすプリンセスの宝冠
元日に皇居・宮殿で執り行われる「新年祝賀の儀」では、皇后雅子さまら女性皇族は、ローブデコルテとティアラ(宝冠)の正装で臨む。ダイヤと真珠で装飾されたティアラの輝きは、見る人のため息を誘う。皇族として生まれた女性は成年のタイミングでお好きな意匠やデザインを取り入れてティアラを製作する。天皇、皇后両陛下の長女の愛子さまも新調する際には、ご一家で仲睦まじくご相談するのだろうか。皇室のティアラを製作してきた日本の宝飾工房が、プリンセスの宝冠について知られざる製作秘話を明かす。 【写真】美しい「フェニックス(不死鳥)」の宝冠がスタイリッシュな女性皇族はこちら! * * * 1969年創業の宝飾工房「アトリエマイエドール」は、女性皇族のティアラを製作する工房のひとつ。2003年に成年を迎えた三笠宮家の次女、瑶子さまのティアラから、高円宮家の承子さま、秋篠宮家の小室眞子さんなどのティアラを手掛けてきたという。 内親王や女王が成年を迎える1年数カ月ほど前に、ティアラを製作する業者が入札で決まる。そこから、ご本人のご希望やお好きなデザインなどを伺い、打ち合わせに入っていく、と話すのは 「アトリエマイエドール」代表の大倉仁さんだ。 「そうはいっても、この段階での内親王さまや女王さまは18、19歳とまだ、お若い。打ち合わせは、宝飾品について深い知識をお持ちのお母さま、つまり妃殿下が主導なさる形で進みます」 瑶子さまは、星のモチーフをやわらかな曲線でつつみこんだ愛らしいデザインで製作することになった。 06年には高円宮家の長女、承子さまが成年を迎えられた。エキゾチックで個性的なファッションが人気の承子さま。そのティアラは、フェニックスの羽をモチーフにしたデザインだった。 母の久子さまは、宝飾品の知識も深い。一般的にティアラはきっちりと左右対称のデザインをイメージするが、承子さまはアンシンメトリー(左右非対称)のデザインを選ばれたという。 「宝飾品にも造詣の深い、お母さまの久子さまならではのご提案でした」 と、大倉さんは振り返る。