安全安心を最優先 大野知事・新春インタビュー 2024年「県に追い風が吹いた、良い年」 埼玉は海以外全てがある日本の縮図 「追い風の勢いが増すように」 県庁舎の位置については3月末をめどに一定の方向性
■順大病院整備計画が白紙 ―順天堂大学新病院の整備計画が白紙になった。 「中止となったことは大変残念。県としても何度もスケジュールをずらして長く待ち続け、挙げ句このような結果になったのは大変遺憾である。病院公募の最大の目的は県内の医師不足地域への医師派遣なので、影響としては、この計画が中止になることが最大の影響だと思っている。他方で、大学を公募した10年前と今では医療に対するニーズも変わっている。全体としては医者余りの方向になっているが、一方で地域、あるいは診療科の偏在が懸念される時代。まずは新たな医療機関が必要かどうかも含めて、医療提供体制などを協議する地域医療構想調整会議や医療審議会に地域の医療ニーズなどを丁寧に伺う必要がある。先ほど申し上げた、全体は余るけれども、地域ごとに偏在することを検討した上で、今の病院整備予定地がどんな役割を果たすかという活用方法について考えることになる。従って、まずは医療偏在地域への医師派遣という課題にどう応えるか、専門家の方々の話を聞きながら検討したい」
―医師と病院をマッチングさせる県総合医局機構の機能強化は。 「2013年に医師会とともに県総合医局機構を立ち上げた。地域枠の医学生奨学金の対応枠の拡大であったり、研修医の県内誘致など、いろいろな手法を使って医師確保に取り組んできた。先ほど申し上げた、偏在地域への医師派遣が最大の課題。ちなみに、その順天堂大学の開院を仮に計画通り行った場合には、27年11月の開院予定日までは2人。さらに、32年度からは20人規模での派遣となる予定だったが、本県の医師育成奨学金の貸与医師は、現状でも、32年度には400人を超える県内での義務従事者となる見込みで、今後は義務従事を終える医師も多数出てくる。こういった方々がいることを前提として、総合的にこれらを勘案して将来の医師派遣のニーズに応える必要がある。そのためには県医師会との協力が大変重要で、その後、研修生に長く定着していただくとか、そういったことも必要なので医師不足地域の医療機関などの意見をしっかりと伺い、対策を検討、実行に移していきたい」
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