【インタビュー】メニエール病を公表したキンクミが明かした「眠れない日々」…「もうゴルフができないんじゃないかと…」それでもゴルフを「やめない理由」
試合後に見せた涙
「今年は最後までパターが悪くて、QTでも何も入ってくれなかったです……」 女子プロゴルファーの金田久美子はそう言って涙をにじませた。 【写真】世界が驚愕…シブコの鍛え上げられた 「圧巻ボディ」奇跡のショット! 国内女子ゴルフの来季前半戦の出場権をかけた「QTファイナルステージ」(11月26~29日)に出場したが、結果は通算6オーバーの49位。来季のレギュラーツアー前半戦に数試合は出場できるが、フル参戦は厳しい順位となった。 最終日は前半から2つのバーディが先行し、一時は前半戦フル出場を確保できる順位にいたが、18番でボギーを叩き、後半の上がり3ホールの7番と9番でスコアを落としてしまった。 ツアー通算2勝の実績を持つ金田も今年35歳。この年齢になるとツアーから離れる選手も少なくないなか、彼女はまだ現場で奮闘している。 2年前の'22年、「樋口久子 三菱電機レディス」で11年ぶりの復活優勝を遂げたが、翌'23年にはシードを落とし、現在に至るまで浮上のきっかけをつかめずにいる。
逃げるみたいにはなりたくなかった
特に今年は「メニエール病」を発症し、治療を続けながらのツアー転戦を続けていた。今年7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」の最終ラウンド後に熱中症で救急搬送され、診断の結果で判明。8月に自身のSNSでその事実を公表した。「メニエール病」はめまい、吐き気、耳鳴りなどの症状が現れるとされる。金田の場合は睡眠障害もあり、夜は中々寝付けない日も多いという。 QTファイナルのホールアウト後に取材に応じてくれた金田は、今年1年をこう振り返った。 「今年は本当に体調が悪くて、とにかく最後のほうはゴルフができただけでも良かったと思うくらい。それくらい体調が悪かったので、(来年は)体力をつけるのが課題だと感じています。 メニエールの症状もかなり良くなってきていて、少しは寝られるようになりました。夏場はもうゴルフができないんじゃないかと思っていたし、よくここまで持ったなと思います」 治療法について聞くと「実はこれといった治療というのはあまりないんです。どこに行ってもメンタルと言われることが多い」と語る。 「大事なのは睡眠をとること。だから毎日、夜8時くらいにベッドに入って、寝られなくてもとにかく目をつむっています。もう3ヵ月は続けていて、夜中に3回くらい起きてしまうこともあります。 睡眠薬を飲んでいたので、それで体調が悪かった気もしていて。治療として、漢方を出してもらったけれど、ドーピングにあたるのでそれもダメ。とにかく寝るしかないんですが、今は少しずつ寝られるようになってきたのでよかったです」 病との戦いが続けば、心が折れてツアーから離れたいと思ったり、休むことがあってもおかしくはない。それでも金田ははっきりとこう言っていた。 「私のなかで休むという選択肢がなかった。なんか、逃げるみたいにはなりたくなかった」