開幕直前U-20W杯で10年ぶり出場の日本代表は勝てるのか?
続くウルグアイ(24日20時)は、ブラジルが5位に終わって敗退した南米予選で優勝し、今大会の優勝候補と目されるタレント集団だ。キープレーヤーは南米予選で5ゴールをマークして得点王に輝いたFWロドリゴ・アマラウ(ナシオナル)、大会屈指の司令塔との呼び声が高く、大会終了後にイタリアの名門、ユベントスへの移籍が決まっているMFロドリゴ・ベンタンクール(ボカ/アルゼンチン)といったあたりか。ウルグアイらしく堅守から鋭い速攻を繰り出すチームは、悲願である大会初優勝を狙う。 3戦目のイタリア(27日20時)はヨーロッパ予選を2位で勝ち抜いてきた。セリエAが5月末まで開催されていることもあり、MFマヌエル・ロカテッリ(ミラン)やFWフェデリコ・キエーザ(フィオレンティーナ)といった選手は不在だが、それでも優勝を狙える力を秘めている。左足を駆使して長短のパスを配球するMFロランド・マンドラゴーラ(ユベントス)、右サイドからカットインして強烈シュートを見舞うMFリカルド・オルソリーニ(アスコリ)といったタレントが並び、予選でドイツを1-0とシャットアウトしたように、イタリア伝統のディフェンス力も大きな強みだ。 この3チームを比較すれば、南アフリカの力が落ちるというのが、衆目の一致するところだろう。逆に言えば、初戦を落とすと、グループステージ突破はほぼ絶望的になる。初戦敗戦というダメージを負ったうえで、ウルグアイ、イタリアから勝ち点をあげるのは至難の業だ。なんとしても南アフリカを下して、決勝トーナメント進出にリーチを掛けたい。 U-20ワールドカップは24か国が4チーム、6つのグループに分かれて戦うため、決勝トーナメント(ベスト16)には、各グループ2位以内と、各グループ3位の上位4チームが進出できる。 1勝1分1敗なら確実だが、たとえ1勝2敗でも、得失点差の関係で突破できる可能性がある。だからこそ、初戦がすべてと言えるのだ。 大会全体を見渡せば、優勝候補の最右翼は、ヨーロッパ予選1位通過のフランスだろう。予選の決勝でイタリアを4-0で下すなど、圧倒的な強さを見せつけた。対抗馬は前述したように、日本と同グループのウルグアイとイタリア、南米予選は4位に終わったものの、タレント揃いのアルゼンチン、北中米カリブ海王者のアメリカといったところだろうか。 また、ダークホースには開催国である韓国を挙げておきたい。日本では元バルサの久保建英に注目が集まっているが、韓国には正真正銘の現バルサ所属の選手がふたりいる。韓国のメッシこと、MFイ・スンウはバルセロナユースに、MFペク・スンホはバロセロナBに所属しているのだ。グループステージで敗退したU-19アジア選手権にはそのふたりは出場していないため、そのときはまるで異なるチームになっている。 この年代のチームは勝ち進んでいくうちに自信を深め、大会期間中に急成長を遂げることもある。初戦の南アフリカに加え、ウルグアイやイタリアからも勝ち点をあげた日本がグループステージを突破し、その勢いのまま台風の目となることを期待したい。 (文責・飯尾篤史/スポーツライター)