「ミスを指摘すると不貞腐れる部下」と向き合う3つのコツ
相手にとってほしい態度をとらせるコツ
次に、あなたが指摘したときに、部下にとってほしい態度や姿勢はどういったものですか? きっと多くのリーダーポジションの人は、「冷静に」「感情的にならず」「間違いは真摯に受け止めてほしい」などと思っているのではないでしょうか? では、どうすれば部下はそうなってくれるのでしょう? 答えは“あなたがそれを示す”です。 いくら部下がミスを繰り返しても、ガミガミ怒ったり、間違いを正して屈服させてやろうとは考えず、あなたは冷静に、感情的にならず、真摯な振る舞いで対話をする。 そう、まずは私たちが“そうであってほしい態度”を示すべきなんですね。 ミスをした理由を打ち明けてほしいのなら、まずは自分が過去にしたミスを打ち明けてみたり、譲歩してほしいのなら、こちらも何かを譲歩してみる。 僕の知見では、指摘に対して不機嫌になる人は、話し手の「言い方」「リズム」、そして「(指摘を受けた)場所」によって反射的に意固地になるケースがほとんどなので、相手にとってほしい態度で、あなたが対話をスタートさせることが大切なんです。
人と「つながる」と、人を「つなぐ」は大違い
最後にもう一つ、指摘に対して不機嫌になる部下の共通点があります。 それは「普段から思うところがある」という点。つまり日常から、あなたや上司に対して「何かしらの不服」があり、指摘の内容にかかわらず、それをテコにして怒りが噴き出すんです。 このパターンへの対処がもっとも難しいのですが、私たちリーダーが気をつけておくべきなのは“「人とつながる」と、「人をつなぐ」の違い”を知ることです。 私たちは他者とつながりを求めて生きていますが、上司やリーダーは、ときに“権力や立場といった「鎖」をつかって、自分と部下をつないでしまう”ことがあります。 「上司の言うことは絶対」「時間は全てオレ合わせ」といった類のものは、すべてその「鎖」です。 このような「つながり」と「つなぐ」を履き違えているリーダーは、ある日、とても大きな怒りや反旗を掲げられがちなので、気をつけておきたいポイントです。 もしも今回シェアしたことを、すでに理解・実行している人がいたら? それでも怒りだす部下は、もはやその人の課題なので、気にしないようにしましょうね。 ではまた来週、別のテーマでお逢いしましょう。 桝本 壮志/Soushi Masumoto 1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。
COMPOSITION=古澤誠一郎 TEXT=桝本壮志