「観光列車」満足度ランキング! 一生に一度は乗りたいおすすめTOP10【2024年】
◆第1位:えちごトキめきリゾート雪月花(えちごトキめき鉄道)
第3セクターのえちごトキめき鉄道が2016年4月に運行を開始したリゾート列車だ。改造車両が多い観光列車の中で、完全な新製車両であり、川西康之氏がデザインを手掛けた。その斬新さが評価され、グッドデザイン賞、ローレル賞をはじめ国内外の賞を数多く受賞している。 地元の旬の食材にこだわったコース料理を味わいながら、妙高山をはじめとする山々、田園風景、日本海と変化に富んだ車窓が楽しめる点が最大のポイントだ。一つの列車で山と海の両方の車窓が堪能できる列車はほかにはない。 数カ所で長時間停車があり、二本木駅のスイッチバック体験、直江津駅の駅弁立ち売り、トンネル内にある筒石駅での途中下車体験など多彩なイベントも用意されている。そのほか、駅や車内でのおもてなしも充実しており、あっという間に3時間の旅は終わってしまう。 工夫を凝らした車内も魅力的で、特に2号車の展望ハイデッキ席は、4名以下のプライベート空間として極上の鉄道旅を味わえる。全ての項目で満点を獲得し、堂々の第1位となった。唯一の欠点といえば、予約が極めて取りにくいことだろう。 なお、ランクインした観光列車の項目ごとの点数は以下の通りである。同点の場合は、列車の格(特急や快速)や豪華さが優れたものを上位とした。※全て筆者の主観に基づいた評価
◆観光列車ブームの今後
観光列車ブームはとどまるところを知らず、今後も新規の列車が予定されている。しかし、最も車窓が魅力的な北海道において、会社の経営不振もあって注目を集めるような列車がなかったのは残念だ。 2020年になって東急電鉄がJR北海道の線路を借り、普段は横浜駅~伊豆急下田駅を走っている「THE ROYAL EXPRESS」の車両を使って北海道周遊を行った。2021年以降も北海道各地での走行を行い、注目を集めている。 さらに、水戸岡鋭治氏のデザインで、2026年春の運行開始を目指して「赤い星」「青い星」の改造工事の準備を進めている。これは非常に楽しみだ。
野田 隆(鉄道ガイド)