2024年の航空事故死者数、年末の2件で計318人に-6年ぶり多さ
主な疑問点は、旅客機を減速させることができたはずのフラップがなぜ伸びなかったのか、なぜ着陸装置が下がらなかったのかなどだと、グゼッティ氏は指摘。もし鳥が両方のエンジンにダメージを与えたのであれば、他のシステムに影響を与える電源喪失を引き起こした可能性があると語った。
「両方のエンジン、あるいは片方のエンジンが停止した場合でも、コックピット内では多くの注意や警告、ベルやホイッスルが鳴り響くことになる」とし、「これは乗務員にとって実に大変なことだ」と述べた。
30日の米株式市場で、ボーイングの株価は前週末比2.3%安で取引を終えた。
世界的な紛争も、航空機事故による死者数増加に寄与している可能性がある。アゼルバイジャン航空のエンブラエル190は、12月25日にバクーから目的地であるロシアのグロズヌイに予定通り到着しようかというところで突然、行き先を変えてカスピ海を横断した。同機は損傷し、カザフスタンのアクタウまで約3キロの地点で墜落したが、アゼルバイジャンのアリエフ大統領はロシアの偶発的な攻撃を受けたと述べた。
23年はボーイングやエアバスなど大手航空機メーカーが生産をほぼ担う大型旅客機での事故死亡者がゼロで、航空史上最も安全な1年だった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が収束して以降、運航便数が増える中でも安全性の改善が続いていたが、24年はそのトレンドを覆した。
原題:Two Plane Crashes Lead to Deadliest Year in Skies Since 2018 (3)(抜粋)
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Angus Whitley, Jinshan Hong, Danny Lee